2014年4月に8%となり、2017年4月に10%となる見込みの消費税。負担増の時代に、100年の耐久性がある高品質な輸入住宅を建てる意味を考えてみたいと思います。
現在の多くの建材は、人件費の安いアジアや中国からの輸入品が占めています。ただ、こうした建材は、有害化学物質を多く含む新建材と呼ばれるフェイクな素材かも知れません。そこで、私たちは敢えて北米製の本物を輸入することへのこだわりを持っています。
昨今は、円安ドル高傾向になってきましたが、殆ど全てを輸入に頼る日本では、アジア製でも北米製でも為替により建材価格が上昇することには変わりありません。でも、全てをネガティブに考えるのではなく、税制や金利の利点を最大限に生かすことを考えることが、家づくりには大切です。
今を輸入住宅建築の好機と捉え、本物を造る人だけが得るメリットは、まだまだ大きいと私は考えています。皆さんの将来は、客観性と行動によって決まるのです。
カナダからの調達によるメリット
私たちが輸入する際に使うカナダドルの為替レートは、2007年末に1ドル当たり120円だったものが、現在(2015年1月)は101円台を推移しています。
輸入住宅の建築費に於ける輸入資材の占める割合は、おおよそ30%程度ですから、例えば3,000万円の家でしたら輸入資材は1,000万円ということになります。
では、この為替レートの違いでどのくらい差益が出るのか、下記で考えてみましょう。
- 為替レート120円の場合: $83,333.34 × 120円 = 10,000,000円
- 為替レート101円の場合: $83,333.34 × 101円 = 8,416,667円
- 為替差益: 10,000,000円 - 8,416,667円 = -1,583,333円
いかがでしょう。2007年と比べると、何と今でも158万円近くコストが下がっているのです。これだけをとっても、今輸入住宅を建築するメリットがあるはずです。
超低金利による支払い額の減少
次に、超低金利による支払い金額の軽減です。三井住友銀行のフラット35の場合、現在の金利は2.09%です。
フラット35は、35年間金利が一定で家計の計算がしやすいというメリットがありますが、逆に低金利の時代でも金利が下がらないというリスクも負うことになります。因みに、JAでは3年固定型変動タイプで0.85%ですから、その差は1.24%にもなるのです。
住宅ローンを最も金利の低い3年固定型変動タイプにした場合、人口の減少によるGDPの低下や消費税増税で経済が低迷する時代には、金利の大きな上昇はあり得ませんから、やはり生活を圧迫させるリスクは比較的少ないと考えることができます。(実際に、ここ5年以上金利は低迷したままです)
よく先が見えないという理由で長期固定のローンを選ぶ人がいますが、この超低金利時代に高い金利を払ってまでフラット35にする必要はないでしょう。それは、返済シミュレーションをすれば一目瞭然。
前提条件
- 総額3,000万円の住まいを計画。
- そのうち、500万円を自己資金とすれば、融資必要額は、2,500万円。
- 融資期間は、35年。ボーナス返済なしで、毎月返済するものとする。
全期間固定金利のフラット35の場合:金利 2.09%
- 毎月返済額:8.4万円
- 金利分を含めた返済総額:3,527万円
3年固定型変動金利の銀行ローンの場合:金利 0.85%
- 毎月返済額:6.9万円
- 金利分を含めた返済総額:2,891万円
上記の差
- 毎月返済額:8.4万円 - 6.9万円 = -1.5万円
- 金利分を含めた返済総額:3,527万円 - 2,891万円 = -636万円
どうです、皆さん。金利差1.24%の違いで636万円も支払総額が変わってくるのです。そんなお金があれば、高級車も買えるし、子供の教育資金にも回せるじゃないですか。でも、変動だと逆に金利が高くなった時にリスクがあるじゃない?なんて声もあるでしょう。
勿論、そうです。でも、逆に言えば、金利が低いままならば得をするということです。また、金利に影響を及ぼすGDPは人口の増加と共に上昇するというのが一般的です。
少子高齢化の時代に、昔の高度成長があり得ますか?景気がよくなって、金利が大幅に上がるなんてことがあり得ますか?だからこそ、不況の時でもある一定の所得がある世帯であれば、家づくりの大きなチャンスになり得るのです。
今は、土地を含めて物価が下がっています。建築費の価格は上昇傾向にありますが、リーズナブルで良質な自然素材が使えるのです。金利も低い水準とくれば、まさに鬼に金棒。考え方やものの見方を変えるだけで、ピンチはいくらでもチャンスになるのです。
2015年度も、住宅ローン減税を継続
時限立法ではありますが、2015年度も住宅減税実施の検討を進めています。
新築の場合、10年間で最大500万円を納めた所得税から返してくれますし、増改築でも省エネやバリアフリー工事を行った分の10%の金額をその年度の所得税から戻してもらえるというもの。また、認定長期優良住宅の新築では、10年間で最大600万円の所得税控除を受けられますが、その認定には100万円近い費用とその後の継続検査を必要としますので、皆さんにとって現実的なメリットはあまり感じられないかも知れません。
さて、上記仮定を基に2015年に新築で3,000万円の住まいを建築した場合、下記のようになります。
- 控除対象の住宅融資: 建築費3,000万円 - 自己資金500万円 = 2,500万円
- 控除総額(ローン残高の1%): 216万円(1年目24.4万円~10年目18.7万円)
ですから、自己資金を使わず、低金利の下でできるだけ多くの融資を受けることをお勧めします。何故なら、手元にお金があることは、一番心強いですから。
また、その他の優遇制度として親や祖父母から住宅購入のための資金をもらった場合には、3,000万円まで贈与税を掛からなくする制度の導入も検討されています。尚、現行の減税に関する詳細は、財務省 住宅ローン減税制度の概要をご覧下さい。今後決定される減税については、ニュースを注視するよう心掛けて下さいね。
消費税アップは、それ程遠くありません
財政再建の為に、政府が既に消費税アップを決定しているのは、皆さんもよくご存知の通りです。
土地は、消費するものではないので消費税は掛かりませんが、建物には消費税が重くのしかかってきます。その税率は、2017年4月に10%となる予定です。
その場合、皆さんが支払う消費税は、どのようになるのでしょうか。先程と同じようにシミュレーションをしてみましょう。
- 8%の場合: 30,000,000 × 8% = 2,400,000円
- 10%の場合: 30,000,000 × 10% = 3,000,000円
- 10%で増加する支払い額 :3,000,000円 - 現行2,400,000円 = + 600,000円
これは、消費税10%で計算していますが、これまでの経済対策で支出した莫大な赤字国債を補う為には、近い将来もっと大きな税率のアップになるかも知れないことを心しておく必要があります。
全てを合わせると、1,070万円の支出減!
いかがでしたでしょうか。輸入住宅を建てたいのであれば、今という時期を逃してはいけないということがお分かり頂けましたでしょうか。勿論、無理に住まいを考える必要はありません。でも、近い未来に自分の夢を叶えたいと思っているのであれば、その夢を実行に移すのは今なのです。
今まで住宅メーカーは20数年のサイクルで建て替えをさせる仕組みを作ってきました。そういった消耗型の家づくりから離れて、100年以上の耐久性のあるレンガ積み外壁やドライウォールのような普遍的な美しいデザインのインテリアで家づくりをすれば、あなたの次の世代は少しの費用でメンテナンスするだけで、残ったお金を別荘やボートなどの資産購入に当てられるようになります。
つまり、所得の大幅な増加が見込めない低成長の世の中では、財産蓄積型の家づくりをすることが大変重要になります。それができるのは、超高耐久な本物の輸入住宅でしかなし得ないと私は思います。その為には相応のお金も必要です。だからこそ、素晴らしい建築パートナーとの出会い(縁)や建てるタイミングが重要なのです。
こんな時代だからこそ、時勢を読み、本物を見極め、いいものを長く使う考えが大切です。それを忘れて、安いだけで価値のないものを買ってはいけません。
私たちは、皆さんと輸入資材やインテリアなどを見に行くカナダ・ツアーも実施しています。ナイアガラやトロント観光も一生の思い出になるはずです。是非この機会を生かして、堅牢で素晴らしいデザインの輸入住宅を創りましょう。建築・リノベーションのご相談は、建築相談へ。
2015年1月6日
文責: 建築コンサルタント 村瀬 雄三