お知らせ : ページ 28

回転軸が抜けた開閉金物

こちらは、昨日滋賀県のおうちで外してきた破損したオペレーター(開閉金物)です。

サッシは、ローウェン(Loewen)のケースメントサッシですが、クランクハンドルを回しても窓を開けたり閉めたりすることが出来ませんでした。

お客様からメールで写真や状況をご案内頂き、オペレーターの回転軸が折れて金物が機能しなくなったのが原因と判断して、新しいオペレーターを手配しました。

窓の開閉方向は左右ありますし、窓の大きさによってオペレーターも様々使い分けられますので、それらを慎重に確認してからの調達です。そして、昨日お客様のおうちへお邪魔して、オペレーターの交換作業を無事に完了してきました。

現場の周囲は田畑や林が存在し、冬ともなるとカメムシやテントウムシが窓枠と建具(障子)との隙間に入り込んで越冬します。

その為、窓を開けると虫やその死骸がたくさん窓の周囲に張り付いていて、それが窓の開閉を阻害してオペレーターの操作がしづらくなっていたのだろうとも思います。

今回のオペレーターの破損は、閉めづらい窓をハンドルを回して無理矢理閉めようとしたことが原因ですが、窓の掃除の不足によってそれを助長したことも遠因ではないでしょうか。

サッシやドアは、日頃の手入れがその寿命に関係してきます。こうしたトラブルを回避する為にも、掃除や潤滑剤の塗布といったことを心掛けるようにして頂きたいものです。

また、サッシ建具の木部も塗装が劣化してきていましたから、木部塗装と一緒に外部のガラス周囲を防水処理することもお忘れなく。

<関連記事>: 部材の特定はお客様にてお願いします (2023年9月30日)

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何とかしたいのは分かるけど

こちらは、輸入玄関ドアのドアヒンジです。

分厚い真鍮で出来ている蝶番が、長年使用してきたことで心棒周辺が摩耗しています。

また、摩耗したことで、ドア側の蝶番がドア枠側の蝶番よりも下がっている様子も見受けられます。

これを何とかしようとしたのか、蝶番を取り付ける為にドアの木に切り込みを入れた場所よりも蝶番の位置が上にずらされているようです。

ただ、位置を変えたにしてもヒンジの摩耗が止まる訳ではありませんから、更に重さでドアが下がっており、敷居にドア下が擦ってきたり、鍵の位置もずれてロックが掛けられなくなってきている状態です。

それにしても変なことがあります。それはドア側の蝶番の位置。

蝶番が摩耗して下がってきている場合、ドア位置も同様に下がってきますから、蝶番の取付け場所を定位置よりも下にずらして調整するものなんですが、写真では逆に蝶番位置を上げています。

こんな状況ではドアが更に下がった状態になってしまいますから、ドアの開閉がしづらくなったり鍵が掛けられなくなったりする要因になるはずです。

元々の取付け自体がおかしかったのか、ドアに3つ付いているドアヒンジがそれぞれ異なった状況で取り付けられているのか、途中で何らかの調整を行ってこうなったのか、この写真だけでははっきりしません。

神奈川県にあるおうちですが、実際に現場に伺って玄関ドア全体の納まりがどうなっているのかを確認して、バランスを見ながらヒンジ交換やドア位置の調整といったことを総合的に行う必要がありそうです。

因みに、お客様はこちらのドアをピーチツリー製とおっしゃっていましたが、ピーチツリーにはこのドアヒンジが付いていることはありませんから、恐らくカナダ製の輸入ドアではないかと思います。

(ピーチツリーのドアヒンジは非常に特殊ですから、お客様の言葉だけで部材を調達してしまうと、取付け出来ないなどの失敗をしてしまいます。調達する前に写真などで部材を確認をすることが非常に大切だと思います)

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趣旨は分かるが、負担は増える

本日、2025年4月から施行される建築基準法の改正概要と建築物省エネ法の説明講習会へ行ってきました。

国土交通省の若手が来て2時間説明をしていったのですが、「後は資料を確認して」だの、「計算ソフトを使って」だのと細かな説明がない講習会は時間がもったいないという気がしてなりません。

話の内容は、「構造が一定の強度に達しないと判定が不可になって建築確認申請が出来ないよ」、「省エネ仕様が悪いと確認申請は通らないよ」、「そういった内容が分かる資料を添付するように義務付けしますよ」、「中間検査や完了検査ではその内容に不備があると通りませんよ」ということでした。

日本の住宅のレベルアップを狙っているのでしょうが、家は性能じゃないということが分かっていないのか、地球温暖化を止めるにはまず建物のスクラップ&ビルドを止めて、50年以上の築年数でないものは解体させないとかいう法律を作るとかしないといけないように思います。

それにしても、頂いてきた資料の厚さや数は半端じゃありません。ということは、私たち建築屋が国に建築の許可を貰う為には、膨大な作業と今以上のお金を掛けて設計・施工を行う必要があるということです。

確かに建売りのような貧弱な住宅は減っていいのですが、庶民の私たちが自分の家を建てるということは、費用的に恐らく出来なくなるということでもあります。

新築はお金持ちの道楽となる時代がそこまで来ている感じがしますが、これだと建築産業はほぼ成り立たなくなるかも知れませんね。

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ペアガラスの交換は可能です

先日、岩倉市の輸入住宅にお邪魔して、両開きのフレンチドアのガラス交換が可能かどうか調査をしてきました。

フレンチドアは、マーヴィン(Marvin)製の外開き。

マーヴィン等の木製サッシは、ペアガラス単体で交換することが出来ず、建具(ドア)ごと交換するというのが一般的。

ローウェン(Loewen)やハード(Hurd)といったメーカーのものはガラス交換が可能なタイプもありますが、どちらか言うと少数派です。

でも、今回のドアを調査した結果、ペアガラスを外して新しいものと交換することは可能だと思います。ガラス押えの木製の押縁も、丁寧な作業をすればきれいに取り外して再利用することが可能であることも分かりました。

お客様から注文のご諒解を頂けましたら、LOW-E断熱ペア強化ガラスを手配して交換施工を行う予定ですので、その際はまた記事に書かせて頂きます。

<関連記事>: こちらも挑戦ですね (2023年11月11日)

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木部を修復したサッシ建具

こちらのアルミクラッドサッシの建具(障子)は、名古屋市のお客様の輸入住宅から修理の為に外してきたものです。

雨漏れによって下枠が腐ってしまっていたのですが、今回建具屋さんにお願いして見事に修復が完了しました。

窓は、マーヴィン(Marvin)のケースメントサッシ(ケースマスター)と呼ばれる竪辷り(たてすべり、横に開く)窓なんですが、ウィンドウヒンジも外れてしまい、建具が窓枠から脱落寸前といった状況でした。

マーヴィンは従来、こういう場合は建具ごと交換が基本でしたが、国内からサービスを撤退した現在は新しい建具を入手することは不可能です。ですから、木枠を部分的に加工・修復する以外に直す方法はありません。

腐っていた木を全て除去し、腐敗菌のない状態にして適切な木材を加工し、この状態にまで復旧させたのですが、ウィンドウヒンジやトラックレールもしっかりと正しい位置に取付けることが出来ました。

この後、木部をパラペイントのティンバーケアで防水塗装を行って、外部のガラスの周囲やアルミ枠のつなぎ目といった部分を防水処理します。

こうした作業が全て完了した段階で、お客様のおうちへお邪魔して取付け作業を行います。現在の処、窓枠を覆っている仮の養生材もうまく機能しているようで、室内への雨風の浸入もないですから、無事に修理作業を終えられそうです。

この建具が無事に取付け出来ましたら、またブログ記事に書かせて頂きます。アルミクラッド木製サッシをお使いの皆さんも、適宜窓を開けて乾燥させると共に、外部の防水処理や木枠のチェックを行うようにして下さいね。

<関連記事>: 修復前のマーヴィン製ケースメントサッシ建具 (2023年11月8日)
<関連記事>: 木部修復後の外部防水 (2023年12月6日)

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重ね部分のウェザーストリップ

こちらは、愛媛県のお客様からご相談頂いた上げ下げ窓の気密パッキン材(ウェザーストリップ)。

マーヴィン(Marvin)の比較的新しいシリーズのダブルハングのようですが、上窓建具と下窓建具とが重なり合う部分のウェザーストリップが千切れて垂れ下がっています。

上窓の下枠に付けられたものですが、常に下窓と干渉する部分であることから、長年の使用で破れてきたんでしょうね。

この部分のウェザーストリップが悪くなると、窓を閉めても重なり部分に隙間が出来て外気が入り込んだり、室内の空気が外に逃げてしまったりするので、省エネや防音という点で効果が減ってしまいます。

ウェザーストリップは、柔らかい塩化ビニールで作られているものが多く、10~15年程度で定期的に交換するのが基本です。

現在マーヴィンは国内市場から撤退してしまい、彼らからの供給は難しい状況ですが、こうしたパーツのいくつかは部品メーカーから手に入れることは可能です。

私たちも今後出来る限り交換部材を調達していこうと考えておりますので、お困りの方はご相談下さい。

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古いドアレバー用のドアラッチ

先日お客様から調達のご相談を頂いたドアノブ(レバー)用のドアラッチ。

こちらのラッチは、タイタン(Titan)というメーカー名で製造されていたものなんですが、現在はクイックセット(Kwikset)という社名に変わっています。

通常、ドアラッチには、先の方にラッチ・プレートと呼ばれる金属板が付いていて、それをドアに固定することでラッチが外れなくなります。

こちらは、そのプレートが付いていないドライブイン・タイプと呼ばれるものですが、取付け穴に差し込むと先の方に付いたギザギザが穴に噛んで抜けなくなるという固定方法になっています。

ただ、この方式は徐々に使われなくなってきていて、日本の住宅では姿を消した存在です。とは言え、北米の住宅ではまだまだ現役で、このドアラッチに代わる製品を入手することは今でも可能です。

輸入住宅に使われている資材の多くは、20年以上経っても交換品を調達出来ます。30年で建て替えを余儀なくされる日本の住宅と、違う住まい方が出来るのが輸入住宅ですので、維持管理のお金を掛けて100年後の豊かな社会を作り上げていきたいものです。

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形は違えど、同じフレームには合います

昨日、ブログ記事に書かせて頂いた群馬県のお客様からは、窓のガラス押えの他に輸入網戸の部品についても調達のご相談を頂いております。

こちらの部品が、インシュレート(Insulate)の樹脂サッシに付いていた網戸のコーナー材なんですが、経年劣化で割れたり欠けたりしてきます。

そうなると、網戸の角がブラブラしてしまうので、網戸としての役目を果たせなくなります。

インシュレートも現在国内市場から撤退していますから、こうした部材をメーカーから供給してもらうことは出来ません。また、北米の部品メーカーでも同じ形のものは販売していませんが、既存のフレームに差し込める代替のコーナー材を手に入れることは可能です。

形が違うと使えないと感じるかも知れませんが、輸入サッシの網戸のフレームは決まったサイズ、決まった形状のものしかありません。ですから、そのフレームの中に差し込めるピッタリのコーナー材であれば、形状が多少違っても問題なく使えるのです。

(勿論、この部分はこの寸法でなければいけないといったような規格が存在しますから、そういった規格に合っていることは必要です)

輸入の網戸のコーナー材の多くは、プラスチックで出来ていますから、やはり15~20年くらいでグラスファイバーの網と一緒に定期交換することが必要です。(網押さえのゴムは、20年近く長持ちします)

網戸を水洗いしたり、コーナー材にワックスやシリコン潤滑剤を塗ることで寿命をいくらか延ばすことは可能です。何でもそうですが、全く手入れしないで長持ちするものはありませんよ。

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ガラス押えは壊れていない?

群馬県のお客様から輸入樹脂サッシのガラス押え(押縁)を手に入れたいというお問い合わせを頂きました。

こちらのサッシは、インシュレート(Insulate)製のシングルハングのようですが、写真のようにペアガラスを建具(障子)に固定する為のガラス押えが、外れたり破損したりしているようです。

こちらのガラス押えは、建具同様プラスチックで出来ていますから、太陽の紫外線や温度変化などによって、素材から可塑剤が抜けて割れやすくなるという経年劣化が生じます。

また、ガラス押えを外した内部は、雨や土が相当量入り込んでいる感じを受けますから、ペアガラスの内部結露や曇りを防止する為にもガラス押えを定期的に外して、掃除をしてやることも大切です。

そうしないと、建具に明いている排水口がゴミや砂などによって詰まってしまい、ペアガラスの下に雨水が溜まってしまうというトラブルが発生します。

ガラス押えは、劣化する20年くらいで新しいものに交換して、ガラスの脱落を防止すると共に、その周囲も防水処理することでペアガラスの不具合も減らせます。

ただ、このガラス押えの部材も国内では手に入らないですし、その種類や大きさも様々ですから、やはり私共のような専門家のアドバイスを受けながら調達されることをお勧めします。

取付けや窓の状況チェックといったことも、専門家に依頼すると注意点やメンテナンス方法も指導してもらえますから、同時にお願いしてもいいですね。

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特殊なロックケース

こちらは、千葉県のお客様の掃出しサッシ(スライディング・パティオドア)から外してきたロックケースです。

モーティスロックとも呼ばれていますが、似たデザインのものがたくさん存在しています。

ですから、調達を間違えて全く使えなかったなんてこともよくあるのです。

このロックケースは、ハード(Hurd)の掃出しサッシに取付けられていたものなんですが、ロックレバーを動かしてもロックラッチが作動せず鍵を掛けることが出来なくなっていました。

そこで新しいものに交換をして、鍵の掛かりが悪くなっていたのもドアの建て起こしの調整やロックの受け金物の位置調整などを行ってスムースに鍵の動作が出来るようになりました。

このロックケースが特殊なのは、ロックレバーの差し込み穴が垂直又は水平の位置になるということです。

通常、この種のロックケースは、斜め45度の位置で鍵の開閉が出来るのが一般的なので、それをハードの掃出しサッシに取り付けようとしてもうまく取り付けることが出来ないのです。

ロックケースを交換する際は、部品を窓から取り外すなどして正確な形状・寸法をチェックすることが大切です。

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