四百余年の風雪に耐え、戦国時代そのままの天守が保存されている長野の松本城。
先日、「和風総本家」というTV番組を見ていたら、この松本城の黒い板壁に黒漆を塗る職人が登場した。なんでも先代の親父さんからずっと引き継いでいる仕事だそうで、命綱だけで高い天守閣の仕事をこなす。
漆は自然素材だから、呼吸作用のある木製の板壁には持ってこいだと思うのだが、太陽の強い紫外線や風雨に曝されることには至って弱い。だって、漆は室内で使う食器や家具などに使う塗料であって、屋外の塗装には向いていない素材ですから・・・。
だから、彼らはこの黒漆を毎年2ヵ月間掛けて塗るそうな。そう、毎年ですよ。住宅の外壁材 コンクリート・サイディングの塗り直しが、おおよそ10年毎と言われていますから、この手間の掛け方は半端じゃないです。
でも、そのくらい手間や時間、費用を掛けないと、この美しい中世の建物はその姿を留めることが出来ないのです。
家づくりをされる人の中には、新築時に一生懸命になる人もいらっしゃるでしょうが、その素敵な住まいを維持していく為には、家に対する更なる情熱と費用が必要となることを忘れてはいけません。「釣った魚にエサはやらない」なんて考えで、その後の手入れを怠るようなことだけは、絶対にしないで下さいね。
自身でやれることはやる。やれない補修やリノベーションの為に、毎月貯蓄するなどという地道な努力も大切です。
それにしても、松本城の外壁を通気作用のあるパラペイントで塗れば、もっと塗り直しの回数が減ると思うんですけどね(笑) 輸入住宅のメンテナンスでご相談のある方は、お問い合わせ下さい。
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