輸入ドアで一世を風靡したアメリカのノード社。輸入住宅ブームの時は、ノードかシンプソンか、そのどちらかが一般的な選択肢だった時代がありましたねぇ。
私は、ノード社のマンチェスターというオーバルなステンドグラスが入ったデザインの木製玄関ドアが好きでした。でも、10年程前に日本での販売から撤退し、北米でもJeld-Wenというドア・窓メーカーに吸収されて、このブランドはなくなってしまいました。
そんな中、愛知県一宮市のとあるお客様から、ノード社のアルミクラッド・サッシに水が入り、ペアガラスが曇ってしまったというご相談を頂きました。私は、Nordと言えば木製ドアという記憶しかありませんでしたから、窓と聞いてビックリしました。
まあ、アメリカでは窓とドアの両方を製造しているメーカーも多いですから、ノードがサッシを作っていたとしても不思議ではないですね。そのお客様からお送り頂いた写真が、こちら。
この窓は、はめ殺し(Fix)の窓で、アルミの窓枠がガラスと直接接しているようですが、その接点の防水が甘かったのか、それともシール材が劣化してしまったのか、雨水が奥の木部にまで侵入してきているようです。
また、ペアガラス自体のシール性を保つスペーサーにも問題があったようで、木部にまで到達した水がペアガラス内部にも湿気として徐々に入ってきたのでしょう。こうなると、ペアガラスの気密性能が反って仇になり、ガラス内部で水分が結露と蒸発を繰り返し、対流を起こします。
長年こうした状態になることで、スペーサーの金属を錆びさせてゴムやコーキングの部分をもこのように劣化させるのです。そして、木部も徐々に腐ってきますから、放っておてはいけませんよ。
確かにアルミで被覆された木製サッシは、耐候性もありそうで美しい木目が楽しめる抜群の素材でありますが、生きた素材を扱うが故の工夫や技術がしっかりしていないと、こういうトラブルが発生することがあることも忘れてはいけません。
そういった意味では、資材選びが大切であることは勿論ですが、新築後のメンテナンスが本当に大切だということを痛切に感じます。
でも、輸入住宅を愛してさえいれば、修理・メンテナンスでちゃんと蘇りますから、安心して下さい。その為にも、技術や経験のある輸入住宅ビルダーとの出会いを大切にしていって欲しいものです。
こうしたトラブルでお困りの方は、お問い合わせ下さい。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。
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