敷地のシロアリ対策

敷地のシロアリ対策

通常シロアリの発生報告があるのは、サツキの咲く5月頃。でも、最近、お客様からシロアリが出たという報告を頂きました。こんな時期にシロアリの発生という連絡を頂くということは、本当に珍しいです。

さて、皆さん、シロアリは年中土の中にいることをお分かりでしょうか。土や緑のある場所には、必ずいるということを忘れないで下さいね。シロアリは、枯れた木を土に帰す役割を果たしているので、シロアリが存在しないような土地は、生態系が崩れた場所になっているということなのです。

だから、建物に侵入しない限り、土や枯木にいる状態ならば正常な環境なのです。ただ、彼らも人間が住まう都市部では相当苦しい生活が強いられていますから、少しでも生きやすい環境があればそこに集中して発生するのです。

今回は、冬の暖房(薪ストーブ)用にたくさんの薪を家の外壁のところに山積みしてあったことが、原因となりました。食べ物が少ない家の敷地に美味しい木がたくさんあったら、もうそこは彼らにとってはパラダイス。

薪を食べているうちはいいのですが、そのうち接していた基礎の方にも彼らの生活空間である「蟻道」を立ち上げてしまいました。幸いお客さんの発見も早く、シロアリの本体は外壁に少し侵入しただけで既に撤退した後だったそうですが、ビックリしますよねぇ。

ですから、皆さんも薪やアウトドアの道具等は、建物に立てかけたりせず、家から離れたところで保管するようにして下さい。基礎などが何かの陰になっていると、シロアリの兆候があっても全く気が付かないということになりますから。

長い目で見ると、シロアリ対策の重点は玄関と勝手口の扉まわり。特に玄関は、ポーチが土台より上にかぶっていることが多いので接合部の日常的な観察が大事です。

床下からは目視出来ませんが、早期に発見すれば補修も簡単です。そうそう、家の内外の湿気は、シロアリとは無関係らしいですからやみくもに不安がったり、安心したりしないで下さい。

シロアリは、蟻道を通じて水分を補給することが出来ますし、水が溜まるような場所にはコロニーは出来ないのです。

シロアリの用心は、築10年前後までが大切です。家を建ててから間がない時は、シロアリを含む生き物全体の動きがまだ大きく、10年前後からようやく落ち着いてくるのです。

どうしても敷地のシロアリが気になる方は、基礎にそって土壌を攪拌し石鹸液を大量に混ぜ合わせることで直下のシロアリは死滅します。でも、あまり悪者扱いしないで下さいね。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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