これは、豊川市 N邸の構造内部で撮った1枚。帯金物が付いた部分で左右違う仕事がしてありますね。
この帯金物によって緊結された左右では、構造が違っているのです。左の構造部の梁(ハリ)は、実は梁の下のところに柱が存在しない大開口があるのです。ですから、開口部の強度を補う為に、大きな集成材(マイクロラム)を梁として入れているんですね。
そして、右の構造部は、普通の2階床組みをしています。まあ、この床組みでも相当な高さ(厚さ)がありますから、強度的に十分な耐震性が見込めるとは思いますが・・・。
2x4工法は、構造区画と呼ばれる四角い箱構造をいくつも組み合わせることで1つの建物を構成します。サイコロのような箱構造は、それ自体で耐震性を保持します。ただ、地震の際にそれぞれの箱が別々の動きをすると建物全体にとってはいいことはありません。
ですから、こうした帯金物等を使って、箱と箱とをつないでいくんですね。こうして家全体が地震の揺れに対して一致協力して対処するのが、2x4構造の輸入住宅なんです。
以前建方工事の外壁で、1階と2階とをつないだり、基礎と1階壁とをつなぐ垂直方向の耐震補強について書きましたが、このように水平方向の補強をすることも大切です。
もし箱構造になっていないところがあったり、それを補強する状況が作れなかったりすると、全体の家のバランスが崩れて強い建物にはなりません。そういうことを結構無視してプランする住宅ビルダーも多いですから、構造区画を設計者にしっかり確認しながら、お話を進めていって下さいね。
さて、写真の帯金物が留めてあるところで、何か気付きませんか?そう、帯のところの木を削って、溝が彫ってありますね。内装を仕上げる時に石膏ボードを張るんですが、溝を彫らないで金物を留めると、金物の厚み分ボードがそこだけ膨らんでしまいます。
そういう納まりの悪さに対処しているのが、この写真です。結構面倒な仕事をしていますが、こういう気遣いがあるとないとでは、インテリアの完成度も自ずと違ってきますよね。
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