先日、家の底盤全体に鉄筋入りのコンクリート面を造る「ベタ基礎」のコンクリート打設を豊川市のレンガ積み輸入住宅 N邸で行いました。
その直前に撮った様子が、こちらです。
鉄筋の下に薄いグレーの色で見えるのが、防湿シート。地面から上がってくる湿気や水分をこのシートでシャットアウトして、出来るだけコンクリートや鉄筋をドライな状態にしておく為のシートです。
ちゃんと仕事をしていない建築屋だと、このシートに破れがあったりしていますが、そういう細かな気遣いをしてあることが大切です。
それにしても、すごい鉄筋量だと思いませんか?一面鉄筋に覆われていて、遠い処は防湿シートも見えないくらいになっていますね。
まあ、すごいすごいと口だけで言っていても仕方ないので、どのくらいすごいのかご覧に入れましょう。
まず、格子状に組んだ直径13mmの異形鉄筋の間隔は、200mm。普通だったら鉄筋が10mmだったり、間隔が300mmだったりしますから、これだけでもすごいでしょ。因みに、異形鉄筋とはウナギの骨のように突起がある鉄筋のことで、この突起がコンクリートに絡んで強度を上げることが可能となります。
更に、この鉄筋を上下二重に配筋しています。いわゆるダブル配筋というやつです。普通はシングル配筋ですので、これだけで2倍の差。
ダブル配筋にする為には、コンクリートがちゃんと鉄筋に被らなければいけませんから、その十分な厚さは250mm必要となります。シングル配筋であればコンクリート厚は150mmですから、ダブル配筋ならコンクリートの量も1.7倍必要となる訳です。
ここにお金を掛けない場合は、壁の立ち上げ部分だけに基礎を造る布基礎となる訳ですが、あまり見なくなりました。耐震性、耐シロアリ、耐湿気を考えるとどうしてもベタ基礎となってしまいます。
だた、このベタ基礎は、上記で述べたような鉄筋量の差や施工への気遣い、更にはコンクリートの質によっても強度の違いが生じます。
因みに、N邸のコンクリート強度は、Fc=24N/mm2。標準的な基礎ならFc=18N/mm2、少しいいものでFc=21N/mm2ですから、ホームメイドが見えない部分にもお金や気を遣っているのがお分かり頂けますでしょうか。
多分こんな詳しい話は、どこの工務店や住宅メーカーのブログにも書いていないと思いますが・・・。まあ、これだけやって地震に耐えられなかったとしたら、それは自然が人智を超えているとしか言えません。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。
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