日本でも製造されているネオニコチノイド系農薬3種の使用を、2013年12月から原則禁止するとEUの欧州委員会が発表しました。また、ネオニコチノイド系殺虫剤の「アセタミプリド」と「イミダクロプリド」は、人間の発達中の神経系統に影響を及ぼす可能性があるという。
最近激減しているというミツバチに有害な農薬を禁止にしたという点で、生態系や環境に配慮したというニュースなんですが、実はこの薬剤は日本の住宅のシロアリ対策に使われる防蟻処理剤でもある。
ミ〇ワホームなど、大手住宅メーカーは、HPでも安全性が高いと言って、これを防蟻処理(シロアリ対策)に使っていますが、こういうことを分かって使っているのでしょうかねぇ?
当然、大手も使っているからということで、中小のビルダー・工務店でも一般的に使われているのですが、昆虫だけでなく、神経毒として人体にも影響があると言われています。
日本の住宅の多くは、30年程度が寿命ですから、解体時には薬剤が塗られた建材が自然界に廃棄・拡散されることになります。勿論、薬剤の保証期間は5年というのが一般的ですから、解体時ではその効果は限定的と言えるかも知れませんが、その間住宅の中にいる家族たちは、この薬剤が揮発した空気に曝され続けるのです。
写真を見ると、基礎から窓下までのおおよそ1mの高さにオレンジ色の防蟻処理剤が塗ってあります(薬剤は、緑色や透明のものもあります)。場合によっては、外側だけでなく、室内側の壁にも塗っています。私なんかは、くさい臭いで目や頭が痛くなります。
住宅メーカーの論理からすれば、基準通りの対策をしているのだから、万一シロアリが出ても責任の対象外だというクレーム対策でしかありません。実際には、食べるものがなければシロアリは薬剤が塗ってあっても食べるのです。そして、どんどん死んで、また新たにどんどん生まれます。
精神的な不安や生殖機能の低下など、昨今の社会問題は、どこから来ているのでしょうか。全てが今の住宅事情から生じているとは言いませんが、その一端を担っている可能性は否定出来ません。
また、比較的人間には安全と言われるホウ酸塩系の薬剤も、シロアリ(虫)を含めた生態系に影響を与えることを考えると、住宅での無秩序な大量散布には反対すべきでしょうね。(限定的な少量の施工まで文句を言うつもりはないですが・・・)
誰しもシロアリさんに家を食べられたら嫌ですが、薬剤に頼らない自然の摂理を活用したシロアリ対策をすべきではないでしょうか。欲が全てに勝るというのは、人間の煩悩なんでしょうかねぇ。
こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。
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