流行もひと段落した感がある塗り壁だが、ヨーロッパの田舎をイメージした輸入住宅が欲しいという要望をもった人は、まだまだいらっしゃるようだ。
そこでよく塗り壁材として登場するのが、国産の「ジョリパット」。
皆さんもお近くでコテ跡をわざわざ外壁に付けて仕上げてあるうちを見たことがあるでしょう。その材料のほとんどが、これなんです。
ただ、この材料は伸縮性がほとんどないので、温度の変化や雨や日照りによる水分・湿度の変化による家の構造体の動きがあると、写真のように見事にクラックが入ってしまう。この家は、名古屋のある工務店が建てた家だが、縦にも横にも網の目のようにクラックが入っているのが分かるだろうか。
特に窓やドア枠のコーナー部分からヒビが始まっているケースは、多かれ少なかれほぼ全ての家で同じ原因で引き起されたと考えるのが妥当でしょう。それは、窓やドアの上にマグサと呼ばれる横木に関係します。
上からの重量負荷を直接窓が受けてしまうと、窓が歪んだり、開かなくなったりするので、マグサによって窓の上でその重量を受けるということをしているのです。
ですから、そのマグサにだんだん重量負荷が掛かります。更にそのマグサを下から受けている柱材が重量負荷によって縮んでしまうことによって外壁やその下地材(パネル材)も同様にその伸縮の影響を受けてしまうのです。だから、下地パネルのつなぎ目(目地)のラインで割れるのです。
こうしたことは、構造上避けがたい問題ですが、重量負荷を分散させる為の下地材の強化をしたり、輸入のスタッコフレックス「Stuc-O-Flex」のような伸縮性のある材料を使うなどすれば、クラックのリスクは少なくなります。
但し、その分手間も材料も掛かります。手間を省いて安くすれば、お客さんは喜ぶでしょうね。同じ見栄えの塗り壁の見積なら、安い住宅メーカーと契約するでしょう。
でもその時は、下地や手間暇のことなんか全く気にしていない。というか、営業担当もそんな知識もないし、価格のことばかりが優先される。真面目に手間暇掛けて造るところが、競争に負けていくのは、悲しいですねぇ。
家は、お金じゃない。そう、心が大切。それが分からない人は、トラブルが発生してやっと分かるかも知れません。皆さん、分かりますか?分かんねぇだろうなぁ~、イェィ。(ちょっと古いか?)
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