柔よく剛を制す

柔よく剛を制す

日経ケンプラッツという建築屋向けのサイトから送られてくるDMメールを見ていたら、「長期優良木造3階建てが<想定通り>倒壊」という記事が目に付いた。

いったいどんな記事なんだろうと思い、読んでみたら笑えない話なんだけど、笑えた。写真がその実験後の様子なんだけど、実は奥の倒れた家の方が耐震強度が確保された住宅だというのだ。確かに、その実験動画を見ると、最初に手前の家の土台から1階の柱が抜けてしまっている。つまり、その段階で構造的に崩壊してしまったというのだ。

(木造3階建て住宅の倒壊実験は、上記映像をクリックしてご覧下さい)

でも、もう少し見ていくと、強度の出ている家は土台と柱がしっかり固定されてしまった為に、上層部の揺れに対応できず、そのまま横倒しになってしまったというのが、写真の状況です。

手前の家は「柱脚が外れたために、いわゆる『タッピング現象』を起こした」と言っているのだが、もしこれが現実の家ならば人命を守ったのは、明らかに強度のない家なんだよねぇ。

勿論、通常は土台の下に基礎があるので、柱が外れた家が揺れと共に移動するという状況にはなり難い。だが、強度一辺倒の考え方が、一番素晴らしいとは言い難いということを私たちに教えてくれているような気がします。

きっと、法隆寺などが現代にまで残っているのも束石(つかいし)の上に柱が載っているだけという単純構造だからじゃないのかな。現代建築の浅智恵を見た気がした。私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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