以前、近くにある陶芸資料館に行った際に、抹茶(薄茶)が飲めるというのでお邪魔した茶室。そこを写真に撮らせて頂いた。
実は、私は大学時代、茶道研究会に所属していて、ちょっとだけですが、お茶の作法も理解している。そんなことで、和室(茶室)に関して、施工を含めて関心があるんですねぇ。
さて、ここはいくつもの茶室が用意されていて、趣向に合わせて雰囲気を楽しむことが出来るという面白い建屋になっている。その中の一つを紹介しましょう。
この部屋は、気軽にお茶を楽しむ為に作られた茶室ですね。伝統的なしつらえを構成しながら、装飾も軽快な感じに抑えられている。そう、誰でもが気楽に飲んで下さいね、という亭主(お茶を振舞う人)なんだろうなぁというデザインです。
中央に黒い床框のある床の間。床板を用いず、畳床にして畳が奥の方にもつながっているような広がりを感じさせます。昔、板床じゃなきゃ、本式の和室じゃないなんて言っていたお施主もいましたが、そんなことはないのが分かりますね(笑)
床の間の左に本勝手の平書院を配した床脇をもってきています。天袋から降ろした吊り棚も面白いですね。こういう形は「敷き込み袋棚」と呼ばれています。本来、書院は何かものを書く場所として設けられたのですが、時代が経つにつれて、装飾的な意味合いが大きくなりました。つまり、床の間を引き立てる為のアクセントと言えるかも知れませんね。
床の間の右は、空調機を入れる為の空間になっています。組子格子を入れて目隠しをしてありますが、ちゃんと空気が通るように目を粗くしてあるのはいいですね。ただ、正客(お客たちの代表者)の方は、ちょっと風が当たり過ぎるかも知れません(笑)
亭主は、床脇の前でお茶を立てる訳ですが、空調機の前あたりに並んだお客たちからは、お茶を出す亭主の向こうに、陽が差すお庭が見えて風情が感じられる工夫が垣間見えます。
また、畳のヘリは、茶室らしく「黒ベリ」を使い、カッチリした空間であることを意識させます。
まあ、語り出すと、書ききれなくなりますから、和室を解説する続きは、またの機会に致しましょう。ということで、輸入住宅で本格的な和室を造りたいという方は、ご相談下さいませ。
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