家の床下環境って、どうなってるのぉ?(2)

家の床下環境って、どうなってるのぉ?(2)

先回に引き続き、マニアックなビルダー 村瀬雄三が、床下の環境はどうなっているのかをお見せしたいと思いますが、今回は別の場所からご覧頂きましょう。

まずは、上の方から行きましょうか。床全体を受ける為に、等間隔で床根太と呼ばれる梁(ハリ)材(1階は、通常2x6材。2階は、床の広さに応じて2x8や2x10)が並んでいます。

その間に入っているのが、スタイロフォームと呼ばれる発泡系の断熱材。厚さは、おおよそ50mm。床下の冷たい空気を遮る為に隙間なく入れるのが、断熱性を高めるコツですね。(下から見ると、ちゃんと仕事をしているかどうかがよく分かります)

発泡系の断熱材の多くは火気厳禁ですが、発火原因のない床下なら大丈夫。で、何でここにセルロースなどの自然素材系断熱材を入れないのかって?言いたいですよね。

実は、2x4工法の場合、1階の床組み、1階壁、2階床、2階壁、2階天井、屋根伏せという順番で、パネルにしたものを現場で組み立てる施工なら1週間、現場で全て一からフレーミングするなら1ヶ月掛けて家の構造が出来上がります。

つまり、その間もし雨が降ったら、1階床下の断熱材は濡れてしまうかも知れません。勿論、床が濡れないように薄いプラスチックシートを仮に張っておくのですが、完全に防水することは出来ません。

基礎の立ち上がりに数本の線が入っていますが、これが雨が伝った跡なんです。耐震合板等のヤニが出て少し茶色くなっています。

こういう場合、いくら自然系の断熱材に吸放湿性能があると言っても、ビチョビチョに濡れてはカビなどが気になりますよね。

ですから、この床下部分だけは、濡れても大丈夫なスタイロフォームを使うという訳です。何が何でも自然素材という固定概念は捨てて、適材適所で使い分けることも大切です。

また、濡れてしまった場合でも、基礎パッキンを使って土台と基礎の立ち上がりの間に通気空間を取っていますので、暫くすると床下は乾燥状態になってくれますから、ご安心を。

次に、配管関係を見ていきましょう。排水管は、お風呂やトイレなどで一度に大量の水を流しますから、大きな力が配管に加わります。ですから、こうやってしっかりベタ基礎に固定することが大切です。(素材は、塩ビです)

お湯や水の給水管については、さほど大きな力は掛かりませんから、フレキシブルな状態にしておいても大丈夫です。そして、給水管には架橋ポリエチレン管という素材を使っていますから、このようにピンクや青いカバーを付けてあります。

それは、ポリエチレンは紫外線によって劣化するので、出来るだけ光に当たらないようにするという目的と、色でお湯と水の管を見分けるという目的があるんですね。

給水管に塩ビを使わないのは、口に入る飲み水に塩ビの成分である可塑剤(揮発性化学物質)や接着剤が混入しないようにという配慮からです。ポリエチレン管なら、お湯に変なものが溶け出すことはないですし管の接続はワンタッチで、接着剤も使いませんからね。

ただ、どこでも私たちと同じ施工をしているかどうかは、分かりません。ですから、ビルダーさんが、こういった情報をちゃんと公開しているかをチェックすることも必要ですよ。いや~、勉強になりますねぇ(笑) こういう私たちと一緒に家づくりをしたいとお思いになった方は、ご相談下さい。

<関連記事>: 家の床下環境って、どうなってるのぉ?(1) (2013年2月23日)

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