木部が腐った為に以前名古屋市のお客様からお預かりした輸入サッシの建具が、建具屋さんから戻ってきました。
このサッシは、マーヴィン(Marvin)製のダブルハングの上窓(アッパーサッシュ)ですが、建具の下枠全部と両側枠の下部に酷い腐食がありました。
その為、四方枠のうち上側の枠を残して、三方の木枠を全て新しくしました。
まだ未塗装の状態ですから、三方の木枠が白木であるのが分かりますね。
ダブルハングの建具は、サッシ枠のレールをスライドしたり、上下の建具がうまく閉じるように召し合わせ部分に隙間が出ないように細工を施さなければなりません。
その為、木枠の形状がケースメントサッシよりも複雑で、木を加工するのも大変になりますし、建具ですから小さな節などがない綺麗な木材が必要です。
今までであれば、メーカーに依頼して新しい交換用の建具を製作してもらえばよかったのですが、マーヴィンが日本から撤退した現状では、私共の方で古い建具を修復する以外直す方法がありません。
これから、既存の窓枠に近い色で木部を防水塗装して、それから屋外側もガラスやアルミカバーの周囲を防水処理する作業を行います。(尚、木部防水塗料は、パラペイントの外部用ティンバーケアを使用します)
これだけちゃんと修復出来る業者さんは国内でも少ないと思いますが、手間・暇が掛かりますからコストは新しい建具を作るよりも高くなります。
ただ、今後は雨漏れで木が腐ったり、ペアガラスが曇ったりするリスクは最小限になるはずですから、将来のメンテナンス費用は抑えられます。
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