設計士の加藤さん撮影の写真(レンガ積み輸入住宅、岐阜市N邸)、第3弾。玄関の土間から、正面にある廻り階段方向を撮影した1枚。(廻り階段は、赤毛のアンの故郷 プリンス・エドワード島から輸入)
向かって右側にあるシューズ・クローゼットは、ドアが鏡で出来ている。高さ2m、幅1.5mの4枚折れ戸なので、鏡としては大きな姿見となっている。
そこに映り込む風景は、鏡の奥にも空間があるような錯覚を与えるので、視覚ではミラー・バイフォールド・ドアと分かっていても、潜在意識の中ではドアや壁があるように感じなくなる。
だから、初めて訪問してきた人は、思った以上に広い家と感じてしまう。トリックやマジックを使った訳ではないが、こうした錯覚をうまくハウス・プランに組み込むことが、プロの仕事なんですねぇ。
また、見せ場の空間には、それなりのアイテムを集中させることも忘れてはならない。
吹き抜けやシャンデリアなども、そのアクセントのひとつ。そして、ツヤのない塗装で塗られたドライウォールの壁。ここに当たる間接照明の光と影も、家の奥行きを創り出す。
この見せ場を効果的にイメージさせるなら、他の部屋の装飾は少し控える必要がある。ただ、これを実際にやるのは、インテリア・コーディネーターでも難しい。どうしても強さ一辺倒で押してしまうのが人情だから、お客様の意向を汲むあまり強弱を付ける提案が出来ないものなのだ。
豪華さともの足りなさ、これがうまい具合にミックスされてると、見せ場の印象が強くなって家全体のイメージが更にアップする。
家づくりには、いろいろな仕掛けが隠されているのだが、それを気付かれないようにデザインするのが、本当のお洒落だと私は思う。家のテーマが明確なら、望む印象を更に強くすることも可能です。建築費には表せない私たちの価値やセンスが、ここにあります。
私たちのセンスを必要とされる方は、建築相談のページよりご連絡下さい。
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