日曜に埼玉県のお客様のおうちにお邪魔して、玄関ドアのメンテナンスを行ってきました。
輸入の玄関ドアはスチール製のカナダ トリムライト(Trimlite)。
ドアは重さで斜めに下がってきており、戸先(ハンドル)側の方が敷居(ボトムシル)に擦っていました。
ですから、ドアを閉める際はドアノブを持ち上げて、ドアが幾分上がった状態にしないと鍵も掛けられないということでした。その為か、ドアハンドルのラッチは既に破損しており、ちゃんと出てこないという感じのままお使いでした。
当然ドアクローザーの力を使って引き込もうとしても、それくらいではどうにもならないのは必然です。また、ドアを閉めても周囲に隙間が空いているという状況で、気密性や防音性・断熱性も機能していませんでした。
そこで、蝶番が摩耗した玄関ドア用の輸入ヒンジとデッドロック付きのハンドルセット、ドア枠用のウェザーストリップ(気密パッキン材)を交換して、新築時の状態にまで戻すことを目標に作業を行いました。
下がったドアはヒンジを新しくすることである程度は上がりますが、ドアの傾きはヒンジの交換だけでは直りません。
ヒンジを取り付ける前にその下地に薄いシム材を入れて、傾きを調整しながら下がりや傾きを補正します。また、長い取付けビスを使うことでドア枠自体を構造にガッチリ固定することでも傾きを変化させました。
そうすることで、鍵が掛かる位置も元の状態に戻りますから、ハンドルのドアラッチやデッドロックバーの取付け位置も特に変える必要もありません。つまり、元になった原因を正せば、付随した様々な問題も自ずと解決するという訳です。
でも、普通のリフォーム屋さんや鍵屋さんは、特殊な輸入ヒンジを調達せずに、ヒンジの位置を変えたりラッチ受け(ストライク)の位置を変えたり、対処療法でメンテナンスを実施します。
ですから、ドアやドア枠に傷を付けるだけで元通りに直すということは出来ないのです。
調整作業が完了した後、最後にライフタイム仕上げのハンドルやデッドロックを取り付け、ウェザーストリップを新しくしたら、このようにきれいな輸入ドアになりました。
通常の金メッキは10年で茶色く錆が出てしまいますが、ライフタイム仕上げは10年経っても美しいゴールド色のままですから、あとは小まめに水垢が付かないように柔らかなタオルで拭いてあげればOKです。
10年で交換部品の供給がなくなる国産の製品と比べて、何十年経っても直しが利く輸入住宅は本当に素敵だと思います。(但し、信頼出来る専門家を見付けることが、家づくりでは一番大切ということを忘れないで下さいね)
<関連記事>: 傾いた玄関ドア (2024年2月12日)
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