楽勝と思ったら、大間違い

楽勝と思ったら、大間違い

下田のお客様からご相談を頂いたスライディング・パティオドア(掃出しサッシ)の交換作業。

サッシは、旧ハード(Hurd、現シエラパシフィック)製のアルミクラッドです。

ペアガラスの周囲から建具(ドア)内に雨が浸入して、木部が腐ってしまったことが、交換の原因でした。(木が腐って戸車がめり込んでしまい、ドアが開閉出来なくなったのです)

以前にもこのメーカーのドアを交換したことがあり、作業の手順や手の掛かる仕事への対応を考えて臨んだ今回でしたが、そうは問屋が卸してはくれませんでした。

悪くなったドアと持ち込んだ新しいドアのサイズもピッタリでしたから、重いドアの運搬作業が最も大変な仕事だと思っていたのですが、実際にドアを入れ換えてみてビックリ。

ドアを閉めてもドア枠の中にドアが入り込まず、3~4mm程度隙間が出来てしまうではないですか。これでは鍵も掛けられませんし、隙間から寒い風が入り込んでえらいことです。

可動側のドアともう片方のFIX(はめ殺し)側のドアは、召し合わせ(重なり合う部分)でガッチリ噛み合う構造になっています。この構造をインターロッキングと呼ぶのですが、インターロッキングの部品の位置が、古いドアと新しいドアとで10mm程ずれているのです。

それでドアが閉まる直前でインターロッキングが噛み合ってしまい、それ以上ドアが動かなくなってしまったのでした。これは、メーカーの仕様上の形状変更が原因ですから、本来現場側の私たちがドアを加工して調整するものではありません。

新品のものを調整する為に、現場サイドでドアやドア部品を加工するなんて普通では考えられませんし、輸入資材に慣れない建築業者さんなら、道具や知識もなくお手上げで帰っていったかも知れません。(ドアが不良品だと言って、クレームで揉めることになるでしょうね)

私たちは、丸一日以上掛かってこれに対処して、写真のようにちゃんときれいに取付けを行いましたが、少ない日本のお客様の為に、恐らくメーカーはこれを是正してはくれないでしょう。

どこかの業者さんにハードの掃出しドアの交換を依頼される皆さんは、どうぞ気を付けてオーダーして下さい。私たち以外で、こんな面倒な作業をしてくれる人たちは少ないかも知れません。

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