最近、どんなものも値上げ、値上げという話が続いている。
それは、食品でもガソリンでも建築資材でも同様である。
20数年前、輸入住宅ブームが起こり、輸入住宅は安くて高品質、尚且つアメリカナイズされたデザインは戸建てを夢見る夫婦の憧れでした。
今では輸入住宅は影を潜め、真四角のシンプルモダンな家が多く建つようになりましたが、それでもアメリカンな家が好きという人には多くの支持を頂いているように思います。
勿論、新築自体が減ってしまった昨今、私共 ホームメイドでも輸入住宅のメンテナンスやリフォームを行う仕事の方が主体となっていますから、新築のように大きなお金が動くことは皆目なくなっている状況です。
ただ、メンテナンスをするにしても、材料は北米から調達しなければなりませんから、その手間は結構掛かるというのが実情です。
そういう世の中ですが、私たちも輸入サッシやドアの交換材を調達する時、昔よりも随分高くなったなぁと感じることがしばしばあります。私たちですらそうですから、お客様はもっとそれを感じているかも知れません。では、そんな価格の高騰は、どうして今起きているのでしょうか?
例えば、輸入サッシが20年前500米ドルで買えたとしましょう。それもその時は円高でしたから、1ドル80円というレートであれば、4万円で購入出来ましたし、その消費税は3%でしたから総額41,200円で手に入ったのです。
ただ、日本はその後景気が悪く物価も下降するかほぼ横ばいという状態でしたが、アメリカは毎年上がり続けました。年4%で20年上がったとするとどのくらい上がると思いますか?
最初を100とすると、何と219になりますから、2.2倍に価格が上昇します。それだけで500ドルのものは1,100ドルになりますが、為替レートは現在115円。ドルを円に換算すると126,500円になってしまいます。
そこに10%の消費税も掛かりますから、139,150円が購入価格となってしまうという訳です。つまり価格は、おおよそ3.4倍になったのです。
更に、昨今は原油の高騰やコロナの影響、ウッドショックもあって、船賃や製造現場の人件費、木材の相場も高くなっていますから、価格が下がるはずはありません。
輸入住宅ブームの際は、輸入材が飛ぶようにたくさん売れましたから、メーカーも価格を抑えて薄利多売が出来ましたが、10分の1も売れない昨今は、利益率を上げてカバーしないと日本へ輸出する意味がありませんから、その分の上乗せもあるでしょう。
これが、今輸入資材が高騰している主な理由なんですが、日本人の所得が諸外国と比べて実質下がってしまっているということも、高いと感じる大きな要因です。
輸入住宅に限らず、国産のものでも素材や部品・製品を輸入していないものはありません。家を維持していく為には、ちゃんとした資金計画や人生設計がなければいけないということをお分かり頂けると思います。
だからこそ、いいものを使って20年前に造られた輸入住宅を、何世代にも亘って使い続けていくことが、最も効率的な財産維持になるのではないでしょうか。逆に、景気がそこそこな時に輸入住宅ブームでお値打ちに買えたことは、ラッキーだったと考えるべきなのかも知れませんね。
輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。
窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
※ 「お知らせ」ページは、「カテゴリー」や「タグ」のキーワードをクリックすることによって、興味のある関連記事を検索頂けます。どうぞご活用下さい。古い日付の記事は、内容や価格が更新されている場合があります。尚、写真及び記事の著作権は、当社に帰属します。無断での転載・引用はご遠慮下さい。