以前ブルースフローリング用のWAXをご購入頂いた福島のお客様から屋根の葺き替えについてご相談を頂きました。
現在の屋根は、コンクリートの薄板に塗装を施したカラーベスト。
10年毎に塗り直しをすれば、60年程度は持つという屋根材ですが、永遠に耐久性があるという素材ではありません。
そこで、ルーブル美術館やモンサンミッシェルといったヨーロッパの歴史的建造物の屋根や赤レンガの東京駅にも使われている天然スレートを使いたいというご希望でした。
天然スレートとは、何万年も前に形成された地層から採掘した粘板岩で薄い板状に剥がせるという特徴があり、その分軽量で耐久性が高い屋根が施工出来るというスグレモノです。
その寿命は120年とも200年とも言われていて、その間何もメンテナンスが必要ないというのは、他の屋根材を凌駕していると言ってもいいでしょう。
日本でもいろいろな天然スレートが販売されていますが、写真のものはその一つ。断面の部分を見ると本物の石であることがお分かり頂けると思いますし、それが層になっている感じも見て取れます。
こちらの天然スレートのサイドには水切り材が付けられていて、隣り合った屋根材の間から雨が入らない仕組みになっています。
また、屋根材が上下で重なる部分にはライン状に防水ゴムが付いていますから、吹き上がるような強い雨でも中に雨が侵入しない工夫もされています。
屋根材の固定は、天然スレートの上に明けられた穴にビスを入れて留めることをしますから、ガッチリと屋根材が固定されます。
なかなかよく考えられたシステムですが、以前にも記事に書かせて頂いたように、屋根材そのものは下地に施工された防水材のアスファルルーフィングを太陽光から保護するカバーでしかありません。
アスファルトルーフィングがしっかり施工されていれば、屋根材の隙間から雨が中に入ってきても然程問題ではありませんし、心配も無用です。ですから、水切りや防水ゴムで更に雨の侵入を防ぐ必要はありません。
勿論、侵入しないことに越したことはありませんが、それよりもアスファルトルーフィングの施工の正確さや万一の屋根材の交換・補修が比較的やりやすいことの方が大切な気がします。
何れにしても、天然スレートの屋根は現在考え得る最高の素材であることは間違いないですし、その分高価であることも念頭に置くようにして頂きたいものです。皆さんのおうちでも新築・リノベーションに如何でしょうか?
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