昨日、名古屋市近郊のお客様から20年くらい前にとある工務店で建てた輸入住宅のサッシやドアにいくつか不具合があるので相談に乗って欲しいという連絡を頂きました。
その工務店は、僅かに輸入資材を使って洋風な家を建築しているようですが、修理やメンテナンスに関する知識や経験が殆どなく、安いという理由だけで短期的に輸入した資材に関してはお手上げという状況のようです。
お客様もこうした資材について、メーカー名はおろか品番が記載された図面等ももらっていないとのことで、どうしていいのか分からないといった感じのようです。
サッシやドア・メーカーが不明でも、写真や寸法を頂ければ、おおよそどういったパーツが組み込まれているかや構造がどうなっているかということは私たちなら理解出来ます。
そういった点で、今後の修理メンテナンスに関しては特に心配する必要はないのですが、詳細の不具合調査、輸入に係る手間や交換工事はある程度の費用を考慮頂かなければなりません。
写真の窓は、ペアガラスが内部結露を起こして曇っている状態ですが、写真からするとシングルハングの上窓であり、設置場所も2階と考えられます。
シングルハングは通常上窓はハメ殺し(FIX)なんですが、このサッシの場合屋外側からしかガラスの交換作業は出来ない構造のようです。ということは、交換用のガラスを調達する為の調査や交換作業は、外部足場を設置して行わなければ出来ないということになります。
また、ガラスを建具に固定しているガラス押えも太陽の紫外線で劣化している可能性も否定出来ませんから、調査や交換の際に破損する恐れもあり、交換用のガラス押えも調達出来るかどうか事前に調べる必要があります。
そうなると、単にペアガラスだけを輸入すればいいという話にはならず、交換の為に様々な諸費用が必要となります。
当然、このサッシだけがたまたま不具合を起こしたという訳ではなく、この家の全ての輸入サッシが将来同様の不具合を起こす可能性が高いですから、ガラスの防水処理を全てに行おうとすれば、そうした施工費用も追加で考えなければなりません。
こうなることはその工務店も薄々分かっていたはずですが、自分たちではどうしようもなかったのか、そういった注意喚起さえ行えなかったのだろうと思います。
そういった建築会社で家を建ててしまったお客様は気の毒ですが、もし新築後のメンテナンスは要らないという根拠のない楽観や幻想が少しでもあったとしたら、それは今後改めて頂かなければなりません。
国産・輸入を問わず、長く住宅を使い続けたいと考えるのであれば、10年毎のメンテナンスは必修ですし、どんなことをやっていかなければならないのかを建築会社や私たちのような専門家に教えてもらうことが大切です。
(まあ、建てたら売りっ放しという住宅メーカーが殆どですが・・・)
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