昨日、従来の瓦葺工法について記事に書かせて頂きましたので、今回は瓦業界が策定した標準設計・施工ガイドラインに基づいた瓦葺工法をご紹介します。
写真が、耐震対策を施した新しい瓦葺工法の棟瓦の納まりです。
屋根の野地板から棟の一番高い処まで金物を使って緊結しています。
また、それぞれののし瓦は、土や漆喰で固定するのではなく、金物や防水コーキングのような接着剤を使って固定しています。こうした対策が施されていれば、重い屋根瓦であっても地震や強風で外れることはないかも知れません。
ただ、その重量は以前のままという感じですから、軽量な瓦を開発したり棟瓦の重ね積みを減らしたりして、屋根の軽量化を果たすことが揺れの軽減につながるような気がします。
しかし、単純に軽量化しても、軸組工法の柱の組付けや緩くなったり、瓦が割れやすくなったりするかも知れませんから、建物の構造側の改善も併せて行わなければなりません。
あと、こういった棟の納まりにすると、屋根裏の熱気や結露を棟から逃がす棟換気(通気)の仕組みが取れませんから、ここも工夫が必要です。
大きな災害が次々に発生する21世紀ですから、様々な業界の知恵を集めて一歩でも改善された家づくりをしていかなければなりません。
また、構造・工法が強靭になっても、住み心地や健康的な生活が犠牲になっては意味がありません。人間の感覚を大切にして、頭でっかちにならない家づくりをしていきたいものです。
何れにしても、古い日本家屋は耐震性・耐風性に問題がありますので、被害に備えて改修工事を行っておくようにお願いします。
<関連記事>: 日本の瓦の耐震対策 (2021年4月20日)
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