先日、仕事の途中、瓦生産では日本有数の愛知県高浜市へ行って、瓦博物館を見学させて頂きました。
古代の瓦から現代の瓦まで様々な瓦の展示があって、建築屋としては大変楽しい時間を過ごさせて頂きました。
ただ、日本の瓦と聞くと、どうしても気になるのが耐震性能。熊本地震などで熊本城の瓦が崩れ落ちてしまった姿は、衝撃的だったと思います。
瓦は他の素材に比べて厚みもあり、その分重量もあるというのが一般的です。ですから、家の頭の部分が重くなり、地震の揺れによって建物の振動を増幅させてしまうというリスクがあります。
当然、それに耐え得る建物構造を要求される訳ですが、瓦を載せた建物とアスファルトシングルのような軽い屋根材を載せた建物と構造を変えて家を造っているかと言えば、そういう住宅メーカーが存在しないのも事実です。
とは言え、高温で焼いた瓦は、太陽の熱や紫外線にも耐えて長持ちするということが特色ですから、日本伝統の屋根材を如何に残していくかは住宅産業の課題でもあります。
さて、そこで今日は昔の瓦葺はどのようだったかを見てみたいと思います。また、明日は昔の瓦葺の欠点を如何に修正して耐震性を備えたかをご覧に入れたいと思います。
写真が昔の瓦葺工法の棟部分の断面模型ですが、軸組構造を上から押さえて柱や桁・梁の差し込みをがっしり組み付けるように、敢えて重量を掛けているのが分かります。
その為、棟の瓦材は何十にも重ねられ、重厚な外観を生み出しています。ただ、その固定には、土や漆喰を練ったものが使われているだけで、金物等での固定はなされていないのが分かります。
地震や台風のような強風がない環境ではこれでよかったのですが、巨大地震やスーパー台風が襲ってくる現代日本では耐震改修を行わない限り安心出来ないだろうと思います。
明日は、瓦をそうした環境にも耐えられるように工夫をした工法がどういったものかご案内したいと思います。
<関連記事>: 日本の瓦の耐震対策(2) (2021年4月21日)
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