昔の日本の住宅は、1時間にどのくらい空気が入れ替わったと思いますか?まあ、それぞれの場合で違うんでしょうが、おおよそ4回だそうです。私の家は、まだその部類に入るのですが、冬はストーブを入れっぱなし。家の前がアスファルトの通りなので、夏はクーラー入れっぱなし。だって、調温した空気がすぐに抜けちゃうんですもんね。
逆に言えば、外からのフレッシュな空気が常に入ってきますので、外気が安定した温度で汚れがなければ快適という状況になるはずです。そう、家全体が呼吸しているのと同じですから。今の住環境からすればなかなかそうしたことにならない訳ですが、本来の自然な状況に回帰出来れば、人間にとって本当に素晴らしいのは、日本の在来工法の家なんでしょうね。
で、今の高気密・高断熱の家はどうかと言えば、自然換気の回数は、1時間当たりおおよそ0.3回。何もしないで空気が全部入れ替わるのに3時間以上掛かるという訳です。まあ、私個人としては、冷暖房の熱が逃げないし、それでいいんじゃないのなんて思うんですが、新建材や家具に使われている有害化学物質も滞留してしまうので問題ということらしい。
それなら、新建材や家具から有害化学物質を排除する法律を作ればいいじゃないのと思うのだが、行政は建築基準法で24時間の機械換気を義務付けた。本末転倒、何か変だと思いますよね。まあ、国民より業界や産業を優先している姿勢が分かります。そういった意味では、同じ業界に属している私たちは、優先して頂いたことに感謝しなくちゃいけないですね(笑)
さて、法律の内容はというと、部屋の用途や大きさ、天井の高さなどで、必要な換気回数は変化するのですが、1時間当たりおおよそ0.3~0.5回が義務付けている。自然に入れ替わる分もあるでしょうから、合わせ技で0.6~0.8回という数字が今の高気密・高断熱の家の必要換気量ということになるんでしょうね。
でも考えてみて下さい。1時間に半分からほぼ全部の空気が外に出されてしまうんですよ。勿論、熱交換器を利用してその半分の熱を戻したとしても1~2時間で熱も全部逃げてしまうんですよね?
夏の電力不足で行政も省エネを呼びかけているなら、熱を電気で外に出すようなことを義務化するのでなく、窓を開けて自然に換気してもいいような環境を考えるべきでしょう。
数値や気密性ばかりを気にする頭でっかちにならないで、感じる住まいを我々ビルダーや消費者も考えていかなきゃいけない時代です。ただ、アレルギーなどで窓を開けられない人たちにそういうことを言うつもりもありませんよ。
でも、有害化学物質が室内からなくなれば、そういう病気も減るような気がしますねぇ・・・・。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。
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