機能していないスパイラルバランサー

機能していないスパイラルバランサー

昨日、静岡県藤枝市のお客様の処に伺って、輸入樹脂サッシの修理調査を行ってきました。

建築した工務店さんは近くにいらっしゃるようですが、殆ど業務をしていらっしゃらないらしく、輸入住宅を触れる業者さんがいないということで遠く名古屋から藤枝まで伺いました。

どこの窓メーカーのものか全く分からない樹脂製ダブルハングサッシですが、ここに付いているバランサーは国内では珍しいスパイラルバランサー。

螺旋状の棒が吊り金具の中に仕込まれていて、そこに建具を連動させて吊り上げるといった方式です。

今回のバランサーは、螺旋状の棒が錆び付いていて、内蔵されているバネとの連動が切れています。

ですから、窓を開けようと建具を持ち上げても、ストンと下に落ちてきてしまうといった有り様です。そういう状態が何年も続いていたようで、窓を開ける際は下につっかえ棒を入れて、開けた建具が下に落ちてこないようにしていたそうです。

そして、建具とスパイラルバランサーとを連結する為のピボットシューも随分汚れが付着して劣化が進んでいる感じですから、こちらも一緒に交換します。ピボットシューを含めた交換となると、窓枠のスリットからシューを取り出す為の特殊な工具が必要となりますが、今回もそれが役に立ちました。

樹脂サッシの場合、下窓だけが開閉出来るシングルハングが多いのですが、このサッシは上窓も開け閉め出来るダブルハング。ですから、スパイラルバランサーも片側2本、両サイドで4本交換が必要なんですが、可動域が異なる為バランサーのサイズが異なっています。

本数も多いですし、上下の建具で長さの違うものを交換しなければなりませんから、間違えないように慎重に施工することが大切です。

あと、こちらのサッシですが、ペアガラスが重かったせいか、建具からガラスが外れてきていました。

本来ガラスは建具枠と密着していなければ、防水性が保たれませんから、雨漏れや錆び・ガラスの内部結露といったトラブルの他に、窓を開閉する際に建具の枠が弓なりにたわんでしまうという不具合も生じます。

このまま放置すれば、建具枠が割れたり変形したりして窓の交換が必要となる恐れがありますから、非常に危険な状態でした。メンテナンスについて専門知識を持った相談先がないというのは、家を維持していくに当たって本当にリスクが高いことだと思います。

<関連記事>: 調査の際にも取り外します (2020年9月17日)

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