先日、瓦屋根の雨漏れについて記事を書かせて頂きましたが、その原因と思しきトップライトの周囲の防水処理を確認すべく、瓦を外してみました。
トップライトは、ベルックス(Velux)製のしっかりしたものですから、天窓本体に異常はありませんでした。
問題は、天窓周囲の鈑金作業。トップライトと屋根瓦との間には当然隙間が生じます。
その隙間から天窓本体へ雨水が侵入しないようにすることと、その雨水が瓦の下に入ってしまわないように天窓の周囲を鈑金材で固めて、鈑金の上を流れる雨水を瓦の上に自然に排出するといった雨仕舞が必要となります。
天窓の横には黒いウレタン材が鈑金の家に張り付けてあって、これが天窓と屋根瓦との間に出来た隙間から入った雨を外側(横方向)へ出さないようにする堤防の役割を果たさなければなりません。
ただ、瓦を留める為に横に走っている瓦桟が、ウレタン材の一部を壊してしまっているようです。これでは堤防の役目を果たせず、外(横)へと雨が出て行ってしまいます。
それを更に防ぐ為の防波堤が、鈑金材の端にある立上りです。ただ、これも瓦桟によって押し潰されているようで、大量の水が流れてくる状況となるとそこを越えてしまうと思います。
ただ、それを越えなかった雨水が下へと流れて、瓦の上へと放出される手前で鈑金の立上りが終了していて、そこには瓦の裏へと水が入ってしまう水の道が出来ていました。
これでは、せっかくの立上りが何の役目も果たしていませんし、瓦で隠れている場所で起こった出来事ですから、お客様も全く気付かないということになりますね。
家づくりは目に見える部分も大切ですが、見えない下地処理を如何に丁寧に施工するかが一番大事だということがお分かりでしょうか。
こうしたことは、如何に有名な建築家でも、大手の住宅メーカーであっても問題を防ぐことは出来ません。実際に施工する職人の技術や知識が如何程かが、勝負の分かれ目となるのです。
<関連記事>: 瓦屋根の雨漏れ (2020年8月10日)
輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。
窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
※ 「お知らせ」ページは、「カテゴリー」や「タグ」のキーワードをクリックすることによって、興味のある関連記事を検索頂けます。どうぞご活用下さい。古い日付の記事は、内容や価格が更新されている場合があります。尚、写真及び記事の著作権は、当社に帰属します。無断での転載・引用はご遠慮下さい。