昔は、国産サッシ・メーカーでも売っていました

昔は、国産サッシ・メーカーでも売っていました

トステムが輸入していたリッチモンド社製ボウ・ウィンドウ

静岡県熱海市のお客様から、メーカー不明の輸入アルミクラッド・サッシの修理についてご相談を頂きました。

ご相談の内容は、建具(障子)に入っているペアガラスが曇ってきているので、交換したいというものでしたが、ボウウィンドウの5枚とダブルハング(上げ下げ窓)の4枚(2ヶ所のサッシの上窓と下窓)で合計9枚のガラスを換えなければなりません。

輸入窓メーカーが分からないとのことでしたので、木製サッシは一般的に建具そのものから交換しなければガラスを入れ替えることは出来ないと申し上げましたが、中にはガラスを外せる製品もあるので、一度調べてみることになりました。

調べているうちに、この輸入サッシはトステム(Tostem、現リクシル)がアメリカから輸入して販売していたリッチモンド(Richmond)というサッシであることが判明しました。

また、このサッシはガラスを交換するのが非常に大変ではありますが、ガラスのみの交換が可能で、建具の木枠や外装のアルミ板はそのまま使えることも分かりました。

ただ、修理する為には、ほぼ建具そのものを分解してガラスを交換後に元の状態まで組み直すことをしなければなりませんから、部材が破損する危険性もあって、ちょっとやそっとのサッシ屋さんでは直せない代物です。

当然、将来雨が構造内に入って曇らないように、建具に防水処理を行うことも忘れてはいけません。

取り敢えず、外し方等は理解が出来ましたので、実際に現地へ行って建具を引き取ってきて、それから修理作業に掛かります。

修理の間、窓は窓枠だけになりますから、建具と同じ大きさの板を窓の外側に張って、雨が入らないように養生しなければなりません。これも、現場で合わせて作らなければなりませんから、結構な手間と時間が掛かります。

それにしても、ガラスを交換出来る輸入サッシで本当によかったです。尚、北米で同名の窓メーカーを探しても、サッシ修理の会社しかないようですから、元々の会社は既にないのかも知れません。

建築したビルダーも施工された窓やドアのメーカーもない状況で、どうやって直したらいいのか途方に暮れるお客様がどのくらいいらっしゃるんでしょうね。

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