ストレス・クラック

ストレス・クラック

ガラスが割れたマーヴィン社ダブルハング

サッシのペアガラス(又はトリプルガラス)は、様々なストレスによって自然に割れてしまうことがあります。

これは、輸入サッシだから起きるとか、国産サッシなら起きないということではなく、どんなサッシであろうとも起きる可能性があるのです。

以前にも記事に書きましたが、その原因の一つは、熱割れです。室内と屋外との急激な温度変化、太陽光によるガラスの熱膨張、時にはガラスに微細な傷があることやガラスフィルムでもそういった熱割れを助長することがあるようです。

次に、建物そのものの重量がサッシの窓ガラスに与える影響です。建物は、常に重力によって下方向に力が掛かります。また、外壁に重いコンクリート・サイディングやタイルを張ることによって、更に荷重が建物に掛かってしまいます。

通常サッシと構造体との間には、僅かな遊びスペースが設けられているのですが、そのスペースが十分でなかったり、何かの影響で強い荷重がサッシに掛かるようになってしまうと、ガラスに強いストレスが掛かり割れてしまうというケースがあります。(最近窓が固くて開けられないというのは、要注意かも・・・?)

勿論、地震によって家やサッシに歪みが生じたり、石や鳥が当たってガラスに直接強い力が加わることも割れる原因ではありますが、外的要因ですから自然に起きることとは区別すべきかも知れません。

3番目は、ペアガラス内に封入されているアルゴンガスです。アルゴンガスは、ペアガラスの断熱性能をアップする効果を期待出来ますが、ガラスの分子よりも小さい為に徐々にガラスを透過して外へ抜けてしまいます。

そうなると、ペアガラスの中は気体がなくなっていきますから、気圧が徐々に下がっていきます。その圧力によって、ペアガラスが割れるということがあるのです。(輸入サッシ・メーカーによっては、アルゴンガスを入れなくなっている窓もあるようです)

最後に、断熱ガラスを間違った地域に設置するケースです。北米では、冬場の暖かい室内の熱を外に逃がさないようにする断熱ガラスを採用すべき地域と夏場の暑い外気を室内へ入れないようにする遮熱ガラスを採用すべき地域が分けられています。

そうしたことを無視して、間違った地域に間違ったガラスを採用した場合、ガラスにストレスが掛かって割れてしまうことがあります。(日本でも、北海道と沖縄では違う効果のペアガラスを採用すべきです)

こうしたことの多くは、住み手である皆さんでは対処の仕様がないことですが、ヒサシを設けて日差しを遮ったり、外壁などにレンガタイルなどの余分な負荷を掛けないように家づくりすることは可能です。

知って何もしないのは、知らないことと同じですから、皆さんのおうちでもチェックしてみては如何でしょうか。

ただ、家というものはいろいろな素材やデザインのメリット・デメリットが組み合わさって出来ています。一つの問題に対処したら別の問題が出てくるかも知れません。

何を優先すれば、どういうことが起るかも考えながら、専門家と一緒に大局的な家づくりを考えることを忘れてはいけません。

輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。

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