こちらの写真は、コルビー & コルビー(Kolbe & Kolbe、K & K)社のケースメント・サッシの建具(障子)です。
ご覧のように木枠の一部がビスで留められた状態になっていて、以前何らかの加工・修理が行われたことが分かります。
お客様曰く、随分前に雨漏れがあって、木が腐ってきた為にその部分を外して、新しい木を加工して継ぎ足したとのことでした。
確かにその時は建具が直ったと思われたのですが、雨漏れの原因である屋外側の防水処理がなされないままで修理を完了した為、また同じように木が腐ってきてしまいました。
写真の部分は建具の下枠のところで、ペアガラスの隙間から入った雨がこの枠の中に溜まってしまいます。ですから、木枠の中から腐ってきます。表面が黒ずんだり、柔らかくなってきたりした時には、既に枠材はボロボロになっている状態です。
このサッシ・メーカーは、今もアメリカに存在しますが、体制が以前のままではないようですし、建具を新しく作ってもらう為には相当な費用も掛かることから、木枠を加工・防水塗装をして修理することを選択しました。
勿論、ビスを露出させた状態で木枠を組んだり、屋外の防水処理をしないで修理を完了するなんてことはやりません。出来るだけ以前の美しい状態に近い処まで持っていって、雨漏れのリスクが少しでも軽減されるようにして差し上げたいと思います。
ただ、建具の構造的な欠点まで直すことは出来ませんから、これからもガラスの周囲などの点検を怠らないようにして頂きたいと思います。(原則は、メーカーに新しい交換建具を用意頂くのが一番です)
雨が少ない冬場は、サッシュを外して修理する絶好のタイミングです。輸入サッシのメンテナンスが必要な方は、是非このシーズンに直しておいて下さいね。
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