横浜のお客様から、サミット(Summit)社のアルミクラッド・ダブルハング・サッシの修理・メンテナンスについて相談を頂きました。
ペアガラスの中に曇りや結露があり、いくつかの窓はガラスの交換が必要と考えているようですが、地元の輸入住宅メーカーやサッシ屋さんに相談しても、外壁から外して窓枠ごと交換するしかないと言われて困っているとのことでした。
そこで、お客様からいくつかお送り頂いた写真の中の1枚が、こちら。アッパーサッシュ(上窓)の下枠部分で、ロック金物の受け側部分が写っています。
ここは、窓を閉めた時、ボトム・サッシュ(下窓)と重なり合う召し合わせと呼ばれるところですので、窓を閉めてしまうと見えなくなってしまいます。
こうして窓を開けた状態にしてみると、ロックの受け金物の辺りに塗装の剥がれや木部の割れがあるのが分かります。こういう状態は、木部に何らかの湿気や水分が入り込み、木を劣化させている可能性があると思います。
ペアガラスが曇ったりしているということからすると、外部のアルミカバーの隙間から雨が内部に入り込んで、中から木枠を腐らせているというのが、原因のような気がします。
現状は、木枠が黒く劣化してボロボロ崩れたりしてきているというところまではいっていないようですが、これを放置すれば何年か後に建具枠やガラスが徐々に脱落してくるかも知れません。
サミットのサッシは、現在製造していない状況ですから、通常であれば窓ごと交換ということになる訳ですが、まだ不具合が小さいものについては、外周りの防水処理工事だけで何とかなるかも知れません。但し、その判断は、それぞれの窓によって異なります。
既にガラス内に湿気等が入り込んでしまったサッシについては、シエラパシッフィック社のアップグレード・キットを使って、他社の新しい建具(障子)に入れ替えるという方法で修復出来ると思います。
外壁からサッシを外して交換するのではなく、窓枠をそのままにしてその中にはめ込まれている建具だけを交換する訳ですから、外壁や室内の壁を傷めることもありません。
ただ、綿密な寸法計測を行わないと、新しい建具が窓枠にうまく入らないということにもなりかねませんから、交換についての知識や経験が必要となります。(尚、この方法が取れるのは、ダブルハングに限られます)
サミットやウェンコ(Wenco)は、元々雨仕舞に構造的な弱点がありますから、ペアガラスの中が冬になると曇るというおうちでしたら、窓を少し開けてこの召し合わせ部分をチェックしてみて下さい。
勿論、下窓の下枠部分も同時にチェック出来るはずです。(水は、下方向に染みてきます)
建具の木部に何等かのトラブルを発見したら、早めに専門家に相談するようにして下さいね。トラブルがない場合でしたら、サッシ自体の防水工事や木部の防水塗装で将来のトラブルを予防出来ると思います。
<関連記事>: これが出来るのは、日本でもホームメイドだけ (2019年8月6日)
輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。
窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
※ 「お知らせ」ページは、「カテゴリー」や「タグ」のキーワードをクリックすることによって、興味のある関連記事を検索頂けます。どうぞご活用下さい。古い日付の記事は、内容や価格が更新されている場合があります。尚、写真及び記事の著作権は、当社に帰属します。無断での転載・引用はご遠慮下さい。