こちらは、アンダーセン(Andersen)社のスライディング・パティオドア。
いわゆる片引きの掃出しサッシですね。
今回は、このサッシの下枠のコーナー部分がフワフワしてきているし、側枠の下の方も同様に柔らかな感じがしているという相談でした。
当初このサッシの下端にはウッドデッキの床が同じ高さで接していたということでしたから、恐らくデッキの床の水が台風のような強い雨の時にサッシの方に押し寄せてきて、この枠の上がプールのような状態になったのではないかと推測しました。
それが大きな原因であったことは確かですが、実はここ以外にデッキがない場所の掃出しサッシや2階のベランダの掃出しサッシもここ程ではないにしろ同様のトラブルを抱えているそうです。
こういう場合、四方のドア枠を組み上げた時に、コーナー部分を防水処理するシーリング剤を入れておくのですが、施工した住宅メーカーが入れ忘れたかも知れません。
メーカー出荷時にドア枠が組みあがっていて、ドアも装着された状態で搬入される掃出しサッシであれば、そういった処理は既に行われていますが、現場で組み上げるような場合(ノックダウン方式)は、適宜防水処理の作業を行っておかなければなりません。
勿論、そういった施工マニュアルは、製品と一緒に送られてきているはずですが、英語であるが故にちゃんと読まないで施工を行う工務店も多くいます。
乾燥させてある程度固さが戻ってくるような場合であれば、防水処理をして様子を見ればいいのですが、フカフカして戻らないようなら下地の構造材を含めてドア枠を交換する必要があります。
ただ、ドア枠は外壁の下地に装着されていますから、これを外して交換するとなると、周囲の内外壁をある程度剥がしてやり直す必要が生じますし、構造もどのくらいダメージがあるかで、補修内容も変わってきます。
ですから、こういう状態をあまり放置しておかず、梅雨や台風シーズンの前には修理・復旧をしておきたいものです。手間・暇や費用は掛かりますが、酷くなる前に早めの治療を行うことこそ、不具合の程度を小さく出来る秘訣です。
でも、アンダーセンの掃出しサッシは、ドア枠だけの交換も出来るという点で不幸中の幸いかも知れませんね。
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