こちらの写真は、アルミクラッド・サッシで有名なマーヴィン(Marvin)社の掃出しサッシ(スライディング・パティオドア)です。
可動するドア側の下枠が、漏水の為か腐ってきているので、相談に乗って欲しいという連絡を頂きました。
マーヴィンの場合、その多くは外装がアルミで覆われた木製サッシですから、対候性に優れ雨にも強いという過信によって、随分悪くなるまで問題が放置されることが多いかも知れません。
多くの人は、家というものは何もしなくても一生持つものだという理由のない思い込みから、輸入サッシに何も注意をしていないのです。それは施主だけでなく、施工した住宅メーカーや工務店であっても乏しい知識しか持ち合わせず、お客様への注意喚起や説明すら行っていないというのが現状です。
そんな状況ですから、お客様も木製サッシはもうこりごりと思って、国産サッシへの交換を希望される方がいらっしゃるようです。
でも、新築時にどうして輸入サッシを選んだのでしょうか?木の温かみや高級感、断熱ガラスを使ったペアガラス、掃出しサッシなんかは強化ガラスが入っている、冬場の結露がまったくないということに惚れ込んで導入された方も多かったと思います。
また、国産サッシにはメリットばかりでデメリットは何もないということが本当にあるでしょうか。外壁から窓枠ごと外して交換すれば、窓の周囲の外壁から雨漏れするという新たなリスクも生まれます。
国産に交換すれば何もかも全て解決するというのは、やはり幻想に過ぎません。
確かに、輸入サッシの中には構造的に雨が侵入しやすく、木部が腐りやすいものも存在しました。ただ、そうした輸入サッシ・メーカーの多くは、既に淘汰されて残っていないのです。今、新築で使われている輸入サッシでは、そういうトラブルは殆どないと言っても過言ではありません。
また、リスクがある輸入サッシでも、外装のアルミのつなぎ目やガラスの周囲に防水コーキング等を定期的に施工して、雨がサッシの内部に侵入しないように手入れをしたり、ティンバーケアのような屋外用の木部専用塗料を塗ったりすれば、そのリスクは最小限に低減されるはずです。
人は一度嫌な目に遭うと、それが頭から離れませんが、悪くなったドアを新しいものに交換して、専門家に防水処理をしっかりやってもらってみて下さい。勿論、その後のメンテナンスは必要ですが、再生した美しさを見れば、輸入サッシにしていてよかったと感じると思いますよ。
輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。
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