昨日、サーモカメラで雨漏れチェックにお伺いした輸入住宅ですが、防雨処理という点ではいろいろと気になる場所がありますので、読者の皆さんの参考までにご紹介しましょう。
因みに、ご紹介する箇所の施工は、リスクが通常よりも大きくなるというだけで、実際に雨漏れしているかどうかは、これからの詳細検査に拠らなければならないということを付け加えておきます。
最も端的でそういう箇所が集まっていた場所は、妻壁の一番高いところでした。
まず、気になったのは、通気機能が付いた飾りのルーバーです。通常私たちは、こうした飾りルーバーは飾りに徹して、ここから屋根裏の換気をする形は取りません。
この壁に大きな穴を明けて、ルーバーの隙間から内外の空気を流通させるようにするというのは、屋根裏換気という点ではいいと思うのですが、台風のような強い雨風の時にはここから家の中に雨が侵入してくる恐れが生じます。
その為かどうかは分かりませんが、ルーバーの下のジョリパットの外壁には薄っすらした雨垂れの汚れと共に細い割れが生じています。こうなると、小屋裏だけでなく外壁の中にも雨が侵入している可能性も捨てきれません。
次に問題なのは、屋根。勾配が緩いということもあるのですが、軒があまり出ていないという点で問題があります。
南フランスのプロバンス風ということで一時期ブームになったデザインですが、軒の奥行が十分あることで弱点となる屋根と外壁との接点部分に雨が当たるリスクを軽減出来るのですが、これでは強い風が吹けば壁を雨が上ってくる状況を簡単に作れてしまいます。
また、軒の裏側は屋根合板がむき出しになっていて、そこにジョリパットの塗り壁材がぶつかっているという施工ですから、そのつなぎ目は必ずや割れてきているはずです。(取り合い部分は、コーキングを合板に薄く塗っている感じはありましたが、十分な量ではない気がしました)
そして、アスファルトシングルの屋根材の施工についても、妻屋根の端は屋根材を上下から包むように鈑金で防水処理を行うのが普通ですが、屋根材の横部分が露出した状態になっています。
いくら屋根材の下に防水用のアスファルト・ルーフィングが敷いてあるとは言え、シングルの重ねの隙間からは雨が侵入することはあまり気持ちのいいものではありません。
私が指摘した上記の問題箇所のうち、どれ程雨漏れが起きているか分かりませんが、今大丈夫でも近い将来雨漏りする可能性があるならば、改善しておくべきではないでしょうか。
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