こちらのユニットバスは、何年か前に改修して新しくしたそうですが、その時から浴槽の排水が殆ど流れなくなったとのこと。
今回、家の外装や窓のメンテナンスを行うに伴って、そんな相談を頂きました。
ユニットバスを設置した建築業者は、下水への排水管の勾配が規定ギリギリという状況ではあるが、原因がよく分からないと言ってそのまま様子見となったようです。
それから何年もの間、バスタブに溜まったお湯を桶ですくって、違う排水口から流していたということですが、そりゃ結構大変だったのではないでしょうか。
そこで先日水道屋さんを連れて詳細状況を確認したのですが、10分もしないうちに原因は特定出来ました。その原因は、ダブルトラップ。
トラップというのは、下水管にいる虫やねずみが排水管を伝って侵入することがないように、U字やS字に排水経路を曲げてそこに水が溜まるようにする仕組みです。
また、そうすることで、下水のいやな臭いも室内に上がってこなくなりますから、快適に暮らす為にはトラップは必要不可欠です。
ただ、これが排水経路に2つ連続して存在すると、トラップ間が注射器の口を塞いだような状態となり、浴槽のお湯が排水管を流れようとしても押し戻される現象が生じます。
こうしたことは、新築時よりもリフォームする際に発生することが多いかも知れません。それは、既設のトラップがあることを把握せずに、新しい別のトラップをユニットバスや洗面台、キッチン、トイレ等の水回りと一緒に設置してしまうことで起こります。
(勿論、新築の際に排水管を設置する業者と住宅設備を設置する業者が別々の場合にも、余分にトラップを付けてしまうかも知れません)
こういう時の対策としては、どちらかのトラップを撤去して排水経路を正常化することや、トラップ桝などフタがあるものならフタに穴を明けてトラップの機能(気密)をなくすことで、この問題を解消出来ます。
ただ、トラップ桝のフタの穴がゴミや落ち葉で塞がれてしまえば、また同じトラブルになりますし、虫等の侵入にも注意して下さい。何れにしても、ちゃんとした専門業者に相談・調査をお願いすることをお忘れなく。
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