私たちが施工するレンガ積み外壁と違って、レンガタイルは建物の外装の表面に薄いタイルを張り付けているだけ。
コンクリート・サイディングの外壁と違い、レンガタイルなら壁の塗り替えはいらないという考えで、高いお金を掛けてタイル張りにされた方も多いと思います。
ただ、写真のようにタイルそのものや目地の部分に割れが入ってしまったら、どうでしょうか。
全てのタイルに割れが入っている訳ではありませんが、上から同じ位置にライン上にヒビが入っています。
こういう場合、割れは上から下まで一直線に連続して入っていることが多いのです。そう、表面に出ない割れが、下地材や構造部分に生じていると考えるべきでしょう。
私たちも表面的なクラックであれば、然程問題にはしませんが、タイルの奥にある下地に及んでいるのであれば、雨水が構造材を腐らせる可能性がありますから深刻です。
下地には構造を水から守る為に透湿性防水シートが張ってあって、それが最後の砦となるのですが、クラックが広範囲に入っている場合には、そのシート自体にも破れが生じているかも知れません。
そんな時、外壁の塗り替えでタイル外壁にもクリアの塗装を掛ける業者さんもいるのですが、それでは根本的な原因が解決されていませんから、一時しのぎでしかありません。
勿論、レンガタイルは一生塗り替えが必要ないと過信している人であれば、クラックが入っていても接着剤を塗ってそれ以上何もしないというケースもあるでしょう。
でも、それは論外のこと。部分的でも一旦タイルを剥がすなどして、防水下地がうまく機能しているかどうかを確認した上で、下地の補修や防水塗装を行うことをすべきだと思います。
これから暖かくなって梅雨の時期を迎えます。外装の塗り替え等をお考えの方は、タイルや塗り壁のクラックにも注意して下さい。
<関連記事>: レンガ・タイルは、将来メンテナンスが必要になる (2012年9月17日)
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