こちらは、マーヴィン(Marvin)社製のアルミクラッド・スライディング・パティオドア(掃出しサッシ)の外回りです。
安城市のお客様から輸入サッシの建具(障子)が腐って黒くなっているので、メンテナンスの相談に乗って欲しいというご依頼を頂きました。
そこで現地を見るべくお伺いしたのですが、窓の建具だけでなく、窓の枠からも雨漏れしている箇所があるということで、確認させて頂いたのがこの写真です。
サッシの上枠に付いている白いカバーを外すと、中に見える木部が黒ずんでいて、指で押すと柔らかい状態になっています。サッシの木枠の腐食が進んできているようですが、サッシの周囲をよく見てみると、腐った場所のほぼ真上の外壁にヘアクラックが入っています。
それは、外壁に張られたカルチャード・ブリック(レンガ・タイル)の上にも、一直線に続いていたのです。本来壁の防水というものは、一番表面にあるサイディングやタイルが雨の侵入から家を守ります。
そこが突破された場合でも、壁の中の通気層によって雨が下へと落ちていき構造体に影響を及ぼすことがないように設計・施工します。
それでも雨が中まで入り込むような(強い雨風が打ち付けるような)場合に備えて、透湿性防水シートが構造を包み込んでいますし、サッシ周りもこのシートが巻き込んであったり、周囲を防水テープ等で保護しています。
ただ、輸入住宅が流行りの時代は、新規参入した住宅メーカーや工務店が見よう見まねで施工したケースが多く、アメリカで行われているような正しい施工がなされていなかった家が殆どです。ですから、この場合は輸入サッシの問題というよりは、施工方法の問題であると考えた方がいいでしょう。
簡易に補修するのであれば、割れた部分にコーキングやモルタルを詰めたり、表面に防水塗装を塗ることも考えられますが、それだと臭いものにフタをするだけで、施工という原因を何も見直さないというに他なりません。
表面を取り繕っただけでは、またいつか割れが入ってしまった時に同じトラブルを引き起こすだけです。その時サッシは更にダメージを負うでしょうし、またお金を掛けて同様の補修を繰り返すだけとなります。
臭いものは根本から絶つという判断は、「急がば回れ」なんですね。後々の心配や補修費用を考えれば、そちらの方が得なことも多いのです。
それにしても、お客様はよくこの不具合を見付けたものです。だって、雨漏れした場所は、ガラスの入った建具(ドア)の外側ですし、枠にはカバーがされていますから、気を付けていないと見逃してしまうような処です。日頃のチェックが、ものを言ったということだと思います。
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