この写真は、ホームメイドの現場でドライウォーラーが下地処理を終えた時に撮った内壁です。
幅広に十分な量の石膏パテを使っている以外は何の変哲もないように見えますが、実はたくさんのノウハウが詰まっているんですよ。
今回は、その一部ですがボードの張り方について皆さんにお話ししたいと思います。
本物のドライウォールをするには、石膏ボードの貼り方にも工夫が必要なんです。では、この壁を例にして考えてみましょう。
<高さ2.4m 幅2.7mの壁のボード接合ラインの長さ比較>(窓の大きさ: 高さ1m、幅0.6m):
1.日本の大工が張る場合:
一般的に使用される石膏ボードは、0.9m x 2.4m。それを縦長に張ります。
捨てるボード片を少なくする為に、余ったボード片を小さく切って張りますので、接合ラインの長さが長くなります。
つなぎ目の長さ:2.4m x 4 + 2.7m + 0.15m x 4 = 12.9m
2.ドライウォーラーが張る場合:
私たちが使用する石膏ボードは、1.2m x 2.4m。それを横長に張ります。
レンガ目地のように互い違いに張って目地が垂直方向に揃わないようにする為、コーナー部分以外には垂直方向の接合ラインが天井から床まで通ることはありません。
通常の建物は垂直荷重を多く受けますが、レンガ張りをすると下にあるボードが上のボードの接合ラインを受けてくれますので、割れが発生する確率が低くなります。
また、窓等の開口部分はボードをくりぬくように切りますので、強度が弱い開口部のまわりに接合部分を作りません。
不経済のようですが、切り残った小さなボードは使用しませんので、接合ラインの長さが短くなります。ですから、これによってもクラックのリスクが低くなります。
つなぎ目の長さ:2.4m x 2 + 2.7m + 1.05m x 2 + 1.2m x 2 = 12m (9.3%も少ない)
皆さん、如何でしょうか?たった6.5平米のこの壁だけなら大したことはありませんが、家の壁・天井の総面積は、500平米以上あるのです。単純計算しても、(500平米 ÷ 6.5平米)x 0.9m = 69m も接合ラインが多くなるんです。
北米で使われる大きめのボードは、通常日本で使われるボードより価格が高くお話した通り、ロスになる部分も多いので建築コストは上がってしまいますが、価格と品質・技術は正比例することがお分かり頂けたと思います。
一度、普通の住宅メーカーや工務店さんの現場を見てきて頂くと、仕事にこだわるホームメイドとの違いがよく分かると思います。また、こうした秘密?をお話ししますね。
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