こちらの写真は、築24年の輸入住宅に取り付けられたマーヴィン(Marvin)社のケースメント・サッシです。
窓を開けたところにたくさんの木クズが散乱していますが、これらは建具(障子)の木枠が腐ってボロボロ脱落した跡です。
当時のマーヴィンは、構造的に雨仕舞があまりよくなかったということもありますが、木部に塗るべき塗料が内装用のニスであって、防水性を向上させる専用塗料でなかったこともトラブルの原因の1つです。
勿論、この窓が風雨の当たる南側に面していたということもありますし、それを承知して雨の後に窓を開けて乾燥させるという習慣がなかったことも問題でした。
ただ、ここまでなるには相当の時間があったと思いますし、お客様自身も気付いていたはずです。相談すべき住宅メーカーが既に輸入住宅事業から撤退していて、誰からも面倒を見てもらえなかったというのもお気の毒な話ですが、だからといって長く放置してしまっては、状況を悪くするだけです。
輸入住宅に限らずどんな家でも、10年毎に新築費用の10%程度を掛けて家のメンテナンスを行うことが大切です。つまり、100年経ったらもう1軒家が建つというくらいでないと、家を美しく維持していくことは出来ません。家を新築する時は、それだけの長期的な見通しが必要なんです。
ただ、今の日本の住宅環境にも問題があります。25年で家の価値がゼロとみなされる状況では誰も家に投資をしないのも理解出来ます。欧米のように、投資に見合った価値の上昇があってこそ、家を大切にしようと人はお金を掛けるのです。
家やサッシのメンテナンス、将来計画について何もアドバイスしなかった住宅メーカーの責任は非常に重いですが、こだわったおうちを大切にしていこうという覚悟がないと日本の財産はどんどん減っていってしまう気がします。
だからこそ、元々価値があまり高くない安普請の建売り住宅を購入してはいけないと私は思います。世間の常識を変えるには、まず家づくりに対する自分自身の考えを変えなければなりませんね。皆さん、価値が上がる家を目指しましょう。
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