昨日、アメリカ大使館のワシントン州政府商務局主催の住宅建材セミナーに参加してきました。
シアトル市街の殆どの家は、50年近く前かそれ以前に建てられたものでそれを壊して新築するということは、滅多にないそうです。
それは、文化的・歴史的価値があるというものもあるのですが、ある一定の価値があるものを壊してしまえば、その価値はゼロになってしまいます。
そういう無駄をするよりは、インテリアをリフォームしたり、ライフスタイルに合わせて増築したりすることで、新たな付加価値を加えていって資産を増やそうという考え方が存在します。
つまり、アメリカやヨーロッパの古い住宅には一定の価値があるということに他なりません。30年もすると価値がなくなる日本の住宅とは全然違うと言えますが、何故そんなに違うのでしょうか。
それは、家の資材に何十年も愛し続けられるような品質の高い自然素材が用いられていることや、文化的・歴史的に続いてきた伝統的なデザインが用いられているという理由があります。
日本人でも同じようなことがあると思いますが、懐かしさを感じるものや昔からの憧れを抱くようなものには、強く惹かれるのです。欧米人であれば、ギリシャ・ローマ時代の建物デザインが、それに当たります。
ただ、ルネサンス期のように全てを復古主義でデザインするということではなく、そういったデザインをアクセントとして取り入れて家を造るということで、郷愁を感じながら生活に合った住宅を建てることをしてきていると考えた方がいいかも知れません。
欧米の文化を取り入れて、それに憧れを抱く日本社会においては、やはり欧米のデザインを踏襲して日本人に合った住宅を造ることが必要と感じたセミナーでした。
でないと、価値のある素敵な住宅はこの日本には残っていかないように思いますが、皆さんはどう思われますか? 持続可能な社会こそ、世界が求めているテーマなのです。
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