大分市で施工しているレンガ積み輸入住宅 U様邸。
せっかくの機会ですから、レンガ積みで外壁を造る際の素敵な部分をいろいろと紹介していきたいと思います。
レンガ積みの精度がいいかどうか、職人の腕がいいかどうかは、こうやってレンガの壁に頭を近づけるとよく分かります。
正面からレンガの外壁を見るより、壁に沿って視線を遣ると壁が真っ直ぐかどうか、垂直に立っているかどうかを確認出来るのです。
ご覧下さい、このレンガの水平・垂直加減を!どの方向を見ても、レンガが一直線に積まれていますよね。これぞ、本場カナダのレンガ積み職人たちの真骨頂です。
そして、窓の下にアゴのように飛び出しているのが、ボトムシル。ウィンドウ・シルとも呼ばれますが、外装材に厚みのない現代の家には見られないデザインです。つまり、明治・大正期に建てられた東京駅の丸の内駅舎などのレンガで出来た歴史的建造物しか、このような装飾は見られません。
でも、これは単なる飾りという訳ではありません。ちゃんと役割があるんですね。それが、雨だれの防止。窓の両サイドは雨が溜まって垂直に流れていきます。それと一緒に汚れも落ちていきますから、窓の下には黒い雨だれが付いて取れなくなります。
そんな雨だれをこのボトムシルが受けてくれて、ボトムシル全体に広がります。その広がった雨水がそこから落ちる時に、ボトムシルの下端に彫られた溝(アンダーカット・ライン)で遮られ、外壁に伝わることなく地面へと落ちるという訳です。
これがあるのとないのとでは、外壁の美しさが全然違います。100年以上使ってもらうことを念頭に入れた施工ですから、私たちはこういうことにまで神経を遣っているんですね。
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