九州のお客様から、シロアリの相談を頂きました。
20年近く前に新築した家だそうですが、何年か前にシロアリ予防の為に薬剤を施工したそうです。
ところが、今年ご覧のように床一面に散乱するくらい羽アリが大量発生してしまったらしいのです。
シロアリ業者とはこの件で揉めているそうで、私に意見を聞きたいということで連絡を頂いたという訳です。
今回、私は写真をメールでお送り頂いただけで、実際の現場を見た訳ではありませんから、写真やお客様の話から判断するしかありません。
シロアリ業者曰く、保証の対象は建物の床又は床下からの侵入であり、今回はサッシの水抜き穴やコーキング処理された窓枠のコーナー部分が侵入箇所と考えられるので、外壁や窓からの侵入は保証対象外と言っているそうです。
ただ、基礎はベタ基礎ということですから、構造的に床下からの侵入はあり得ません。そんな状況で床下だけを保証するというのは、変な話ではあります。それから、サッシの水抜き穴は通常のサッシの構造であれば、侵入路にはなり得ません。
お客様の家には木が腐ったウッドデッキが隣接していたようですから、そこを伝ってシロアリが蟻道を作り、カルチャード・ストーンの割れ目や目地のクラックから壁の中に侵入したか、外壁の下端に付けられた鈑金水切りの隙間から侵入したのではないかとも推測されます。
そういった箇所からシロアリが侵入すれば、外壁の内部に巣を広げたり、床下へも蟻道を延ばす恐れもあります。ただ、家の中央部あたりの床下にシロアリの形跡があったというお客様の話もありますから、それがどのようにして侵入したものかを検証する必要がありますね。
写真の羽アリは、窓の周囲に回された飾り枠の木製ケーシングに明けられた小さな穴から飛び出してきたようです。
こういう場合、壁の中の状況把握や修理が必要でしょうから、外壁のカルチャード・ストーンやウッドデッキを一旦撤去して、構造を復旧すると共に下地にコンクリート製サイディングを張るなどして、シロアリの侵入に対処すべきと思います。
それにしても、外壁からのシロアリの侵入は保証しないというのは、お金を掛けて予防する意味が全くないと思いますが、そういうものなんでしょうかねぇ?皆さん、そういうことを知ってましたか?
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