三重県四日市市にある輸入住宅のダイニングで、天井に無数に点々と汚れがあるというので、原因を探りに現地調査を実施しました。
確かに直径数ミリの黒や黄色い点が、いくつも天井に付いています。
ダイニングに面した外壁には、緑色の藻のようなものが付着していましたから、日陰になる少し湿気った場所であることは確かです。
そういう観点から、何等かの水が外壁のどこかから入り込んで、1階のダイニングの天井や壁の裏側に付いたのかもという仮説を立てました。ただ、そうなると大量の強い雨が降ったりしたら、天井や壁のどこかから水が染み出してきそうなものですが、そういうことは一度もないそうです。
また、内装はドライウォールで仕上げてありましたから、そういう場合には紙で出来たジョイント・テープなどが剥がれて浮いてくるといった現象が生じますが、そういったこともありません。
ということで、一度天井の一部を切除して中を見てみることとしました。石膏ボードを30cm四方で切って中を覗きましたが、切ったボードの裏側もきれいなものでしたし、構造体の根太材や2階の床下地として張られた構造用合板も特に異常はありません。
切り取ったボードの表の面をよく見ると、点々になった汚れが少し盛り上がっていました。横からライトを当てるとそこだけ影が映りましたから、間違いありません。どうやら、黄色い点はカビであることが分かりました。
では、それはどこから来たのか?そして何故ダイニングの天井や壁だけに付いていたのか? それが問題です。
次に目を付けたのが、天井エアコン。20年近く前に設置したきり特に何もしていなかったそうです。吹出し口を見ると、あの黄色いカビが付着しているではありませんか。また、エアコンの中の方も同様に黄色く汚れています。
どうやら、このエアコンの中にカビが繁殖して、エアコンを作動させた際にカビが飛び出してきていたようです。また、ダイニングですから、鍋物などの料理をやったりした水蒸気が部屋の上の方に溜まり、カビを点在させたのではないかという結論に達しました。
取り敢えず、付着しているカビを除菌剤で取り除きましたが、経過観察の為エアコンの清掃をやって頂いて、それから梅雨明けくらいまで状況を注意深く見て頂くことをお願いしました。それで問題が発生しないようなら、天井を塗装してドライウォールを元通りにする予定です。
ただ、壁の方は断熱材が入っていない為か、ボードの裏もカビのようなものが付いていましたから、今後内部結露を起しているかどうか、チェックして頂くこととしました。もし結露しているようなら、吸湿・放湿性のある断熱材のセルロースを壁の中に封入して対策するつもりです。
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