以前、床下空間のない住宅は注意して下さいという内容の記事を書かせて頂いたことがありますが、今回ご相談頂いたのも全く同じケースです。
立ち上がり基礎で囲まれた部分に、土を埋め戻して床下のスペースをなくし、その表面にコンクリートを張って平らに仕上げるのが、スラブ床という工法です。
でも、埋め戻した土の中には、白アリのコロニー(巣)も一緒になっていることが多く、何とかそこから食べ物を見付けようと這い上がってきます。
また、基礎の立ち上がりと表面に張ったコンクリート(モルタル)とは一体成型で造られている訳ではないので、それらが接する部分は自ずと隙間が開いてきます。
そうなると、隙間から地面の湿気や水分が上がってくるだけでなく、シロアリさんたちも1階の床まで上がってきてしまうこととなります。
写真のクッションフロアの下には、他の部屋と床高を揃える為に薄い合板が張られているものと思われます。そこに湿気や水分が滞留してカビなどが発生し、クッションフロアをこのように黒くしてしまったのだと推察されます。
こういう場合、単にクッションフロアを張り替えるだけでは、同じことがすぐに起こってしまいます。一度下地まで剥がしてみて、何らかの防水・防湿対策を行ってから仕上げの工事をすることが重要です。
当然その際は、恒久的な対策ではないにしろシロアリ駆除を行って頂くことも必要かも知れません。(土の中のシロアリの巣を根絶させることは、スラブ床の上からでは不可能ですから都度対処するしかありません。ただ、生活に支障が出る恐れのある有害な薬剤は、限定的な使用に留めておくことをお勧めします)
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