今日は、とあるお客様が中古の輸入住宅を購入されたとのことで、リフォームの相談を頂きました。
現地で実際のおうちを見させて頂きましたが、リフォームというよりは修理・修繕の要素が遙かに多い状況でビックリしました。
以前お住まいの方は、1年くらい前に引っ越されたようですが、いろいろな家のトラブルが発生し、相当手直しをされた様子を窺い知ることが出来ました。
ただ、どの修理も中途半端で材料や施工も適切ではなかったような気がします。あまりに多い不具合ですので、全てを一度に書くことは出来ませんが、まずは屋根をご覧に入れましょう。写真は、屋根材を近くから撮影したものですが、防水コーキングで割れたスレート瓦を補修した跡が見受けられます。
でも、コーキングは表面に薄っすら塗っただけのようで、すぐに同じところに割れが入ってしまった感じです。よく見ると、この写真でも至る処の屋根材が割れているようで、補修の処理をしているところやしていないところが散見されます。
私が想像する処では、塗装されたコンクリート製のスレート瓦を長く塗り直しをしないで放置していたのではないかと思います。周囲は結構開けた環境ですから、雨風が屋根にも強く当たります。
塗装が剥げた状態であれば、コンクリートの中にまで水が浸透していきますから、コンクリート自体が徐々に劣化していきます。そうなると屋根材の強度も落ちてしまい、多少の雨や風で割れが入ってしまうという理屈です。
割れが何箇所か入った段階で、屋根の張り替えを検討しなければいけなかったのでしょうが、お茶を濁すように割れた部分だけをコーキングで簡易補修したんでしょうね。
もしそうするにしても、その際塗装をやり直すなどの手立てを打っていれば、まだ少しは寿命が延びたかも知れませんが、どんどん割れが出てくるような状況では、張り替えしか道はありません。
また、屋根材自体は実際の防水機能を果たしている訳ではありませんから、下地の防水シート(アスファルト・ルーフィング)さえしっかりしていれば、雨漏れすることはありません。でも、外壁ラインや窓の周辺に雨漏れの形跡があることから、もしかしたら屋根の防水シートも破れたりしているのかも知れません。
部分的な雨漏れであれば、局地的な補修で対処することが出来ますが、北側以外のほぼ全ての窓に問題が発生しているように感じますので、これは相当覚悟が必要な気がします。これは、輸入住宅特有のトラブルというよりも、住宅全般で起こり得る不具合と言える事例です。
何れにしても、これをしっかり直せるように、施工計画を綿密に練っていく必要がありそうです。
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