サッシには何ら表記はなかったのですが、施工した建築会社曰くアイエムエス(IMS)カナダ社製?のシングルハング・サッシということで、どんなバランサーが装着されているのかをチェックに行きました。
上げ下げ窓用バランサーには、いくつか種類があるのですが、こちらのバランサーはコイル・バランサーと呼ばれるもので、白いプラスチックの箱の中にゼンマイ式のバネが入っていて、その先端を窓枠に固定してあるタイプです。
構造が単純で装着しやすいという利点はあるのですが、箱の部分が大きい為窓枠に明いた溝から取り出すのに手間が掛かるのが欠点です。多くの場合、樹脂サッシに装着されているのですが、樹脂で出来た窓枠を一部切り取って、取り出せるだけの開口を開けたり、樹脂を溶かしてバランサーを外に出すといった技術が必要です。
今回は、樹脂を溶かす方法を採用したのですが、なかなかうまく取り出すことが出来ました。窓枠を切ってしまうと、それを元に戻すことは不可能ですし、見た目も少しよくありませんからね。
バランサー本体やバネには、手掛かりとなる品番が刻印されていますから、どうしてもそれを確認しない訳にはいかないのです。それは、本体の大きさやバネの強度に関係してきますから、適当なもので誤魔化すということは出来ません。
(窓メーカーは既になくなっていて、どの大きさの窓にどのコイル・スプリングが装着されているか、資料も何もありません)
写真のものは、正常な状態のコイル・バランサーですが、不具合のある窓だけでなく、全ての種類のシングルハング・サッシの部品をチェックしてきました。それは、不具合のある部品だけでなく、同じだけの時間が経った他のバランサーも近いうちに断裂するのは間違いないので、そうなる前に交換部品を一緒に海外から調達しておこうという理由からです。
交換作業は、今回のようなことを取り出し時と取り付け後の2回それぞれの窓で行わなければなりませんから、結構大変なんですが、交換してしまえばこの先10年は大丈夫です。
それにしても、交換が面倒でないやり方で、どうして窓を作ろうとしなかったのでしょうねぇ。(カナダやアメリカの樹脂サッシでもこういう構造の窓は結構あるようです)まあ、窓メーカーが既に存在していない状況では、何を言っても仕方ないんですけどね。
因みに、これに近いコイル・バランサーは、カナダの旧サーティンティード(Certainteed)社の樹脂サッシでも使われているようです。
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<関連記事>:コイル・バランサーの断裂 (2016年10月17日)
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