エナメルの靴に代表されるように、表面に光沢があってツルッとしたなめらかな手触りを感じる素材って、高級感がありますよね。
今回は、エナメルでコーティングしたキャスト・アイアン(鋳物)のホーロー浴槽を紹介したいと思います。
今、日本のバスタブの主流は、強化プラスチック(FRP)製。ユニットバスの標準は、この素材と言っても過言ではありません。少し高級なものになると、ポリエステルやアクリルを主材とした人工大理石のバスタブもありますが、そのシェアは10%もあるかないかといった程度ではないでしょうか。
何れにしても、樹脂を材料としていますから、熱伝導が少ない分熱が逃げにくいという特性がある反面、経年劣化による表面のざらつきといった問題も起こってしまうかも知れません。
ホーロー製のバスタブは、鉄を鋳型に流し込んで成型したところで、硅石を溶かして表面にコーティングします。材料は鉄ですから、熱が伝わりやすく断熱性に劣るという特性がありますが、それを解決する為に浴槽の裏側に断熱材を張っているそうです。
また、樹脂製の浴槽は、お湯を張った部分しか温まらないのに対し、ホーロー製はお湯に浸かっていない部分やエプロンまで熱が伝わるので、輻射熱によって腕や背中をも温めてくれて、風呂上がりでも湯冷めしにくいらしいのです。(五右衛門風呂と同じ原理です)
また、硅石を溶かした表面のエナメルは、非常に硬度が高く傷も付きにくいようです。私の処に来た営業の方がテストしてくれましたが、銅製の10円玉でガリガリやっても10円玉の方が減ってしまうだけで、表面のエナメルには傷一つ付かない状態でした。
強くて美しい透明感のあるバスタブは、大阪のマリオット都ホテルや広島のシェラトンホテルでも使われているそうですから、泊まられたら是非一度お風呂を試して頂きたいものです。
ただ、このバスタブには大きな欠点もあるのです。それは、その重量。分厚い鉄の鋳物で出来ていますから、重さは約160kg。大人2名では運ぶのに少しきついかも知れません。
ましてや、2階などに設置しようなどと考えると、クレーンなしでは運搬しようがありません。施工上の問題ですから、お客様へのメリットを考えたら積極的に採用すべきと思いますが、果たしてそう思ってくれる建築屋さんはどのくらいいるでしょうか。
近頃は、面倒や時間が掛かる仕事は、敬遠されますからね。
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