愛知県大府市のお客様から16年前に建てたビクトリア様式の輸入住宅のメンテナンスで相談を頂きました。
屋根の軒裏を支えるように取り付けられた装飾ブラケットからもヴィクトリアン・エドワーディアンと呼ばれる時代の雰囲気を感じさせますね。
さて、このおうちですが、当初はバルコニーの屋根を支える為の木製の柱材(ポスト)や木製手摺が腐ってきたので、修理をしたいというお話でした。
昨日、実際に取り付けられた状況を確認しに伺ったのですが、確かに木の至る処が腐ってしまい、交換を余儀なくされる感じではありましたが、強度的にすぐに交換しないと危険であるといった状況ではありませんでした。
勿論、熊本のような大きな地震があれば、横揺れで壊れてしまうかも知れませんが、それは木の腐れの問題ではなく、この部分が構造的に横揺れに弱いというだけの話です。
それよりも気になったのが、窓とその周囲。こちらの家では、オーストラリアの木製サッシが採用されているのですが、台風などの風雨に曝されやすい南側や東側に面したサッシに損傷や腐れが見受けられます。(室内側だけでなく屋外側も木製ですから、・・・)
また、その窓の周囲にも木製のトリムやボトムシルが飾りとして取付けられているといった状況ですが、それらも劣化が進んでいます。
4年程前に部分的に腐らないものに交換したり、塗装をやり直したりしたそうですが、既に劣化が始まっているものに呼吸作用を阻害する塗料を塗ってもそれを止められるはずはありません。
そこで思い切ってしっかりしたものを施工しておけば、こういうことにはならなかったと思いますが、それを言っても仕方ないですね。何れにしても、サッシや枠の腐った処を部分交換したりして対処するような中途半端な対応では問題を先送りするに過ぎません。
室内の木の質感を壊さないように、サッシは木製のアルミクラッドのものを新しく調達してから、足場を組んで交換・修理をするのが一番美しく、それも耐久性が上がる方法だと思います。飾りのトリム類は、ウレタン製のものを使いましょうか。
メンテナンスやリフォームにおいて一番大切なのは、問題を原因の処から潰して解決することの他に、そのデザインを出来るだけ壊さないようにする心遣いではないでしょうか。
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