ドライウォールの施工には、この凹みが大事

ドライウォールの施工には、この凹みが大事

ドライウォールを知らない工務店、手を抜きたいクロス屋さん、彼らは石膏ボードの両はじ(エッジ)が殆ど四角のベベルエッジというボードを使います。(ベベルエッジのボードは、数ミリ角が落としてある石膏ボードです。)

私たち ホームメイドや欧米のビルダーたちは、そんなボードは使いません。というか、そんな石膏ボードは、欧米では販売すらされていないのです。正しい施工方法を知っているビルダーは、常にエッジのラインが大きくえぐれたようになっているテーパーエッジと呼ばれる石膏ボードを使います。

ドライウォールの施工がスタートした岐阜市 N邸で撮ったテーパーボードの写真が、こちらです。

ボードとボードとのジョイントの線が横に走っています。これは、ドライウォールの基本中の基本、ボードを横張りしているからなんです。そして、その両側に薄いラインが入っているのが分かりますか。そう、ここからボードが凹んでいるという証拠です。

これくらいクッキリ見えるくらいですから、天然石膏のパテも相当量入ります。このボードの凹みは、ジョイント部分を強くする為の専用の紙テープ(ドライウォールテープ)を入れる時に、石膏パテにテープの接着剤の役目を負わせることを目的としているからなのです。

国産の化学石膏のパテと違って、欧米の安全な天然石膏のパテは、紙の繊維と石膏とが化学反応を起こして一体化します。また、水で練っただけの天然石膏ですから、パテが乾くまで長い時間が掛かってしまいますが、柔らかく柔軟性があるので多少の振動ではクラックが入らないという特徴を持っています。逆に、揮発性化学物質を含んだ化学石膏のパテは、揮発して数時間でカチカチに固まってしまいますから、少しの衝撃でも割れが入りやすいのです。そして、施工時間短縮の為に、天然石膏のパテを使わないビルダーさんは、紙のテープでなく、プラスチックで出来たメッシュテープを使います。

予め裏に糊が付いたメッシュテープは、紙で出来た石膏ボードの表面に直接貼られます。それは、石膏のパテをボードに塗ってから貼ると、パテの水分でうまく接着しないからです。

つまり、テープをボードに張ってから化学石膏のパテを上から載せるので、テープが全くパテと絡まない状態ですから意味がないものとなってしまいます。分かりやすく説明すると、鉄筋コンクリートの中に入れる鉄筋は、コンクリートがある程度の厚さで鉄筋を覆うことで強度を出すのですが、この鉄筋がコンクリートの表面に施工されていたら、どうでしょう。パテに絡まないテープが弱いということは、このことからもお分かり頂けると思います。

テーパーエッジのボードや横張り工法、天然石膏のパテや紙の専用テープ。これらのどれを欠いても、施工手順を守らなくても、正しい施工とは言えません。でも、この下地施工は、クロスや塗装で仕上げてしまうと、どのように施工したかはお客様には分かりません。

正しいドライウォールの下地施工は、信頼出来るビルダーの証ですし、輸入住宅の美しいインテリアを作る秘訣です。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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