ガラスに細かなレースのカーテンが掛かっているようにも見えるパティオドア。
でも、左隣のガラスには、カーテンのようなものも何も映り込んでいませんよね。実は、右側のガラスは、細かいクラックがガラス全体にビッシリ入っている為に、レースが掛かったように見えているのです。
自動車のガラスと同様に、割れてもガラスが鋭利な形状にならず、細かな粒状となるのが強化ガラスなのです。
通常、輸入サッシのパティオドアには、強化ガラスが二重に入っています。それは、誤って人間がガラスにぶつかっても割れないようにする目的と、こうして何らかの原因でガラスの1枚が破損しても、残りのガラス1枚が防犯・防水の役割を担ってくれるように考えられている為です。
(強化ガラスは、先端の丸いバットのようなものでは簡単に割れません。だから、人間がガラスに突っ込むような状況になっても、人間の方が打撲するだけで破損による大きな事故にはつながらないのです)
勿論、ペアガラスにすることによる断熱効果も期待されていますが、更にこちらの窓にはLow-Eという熱線反射フィルムがガラスに組み込まれていたのです。(私たちが輸入するサッシには、ほぼ標準的にこの機能が付加されています)
それによって、ガラスが飛散することなく、フィルムに付着した状態を保っているようです。よくご覧頂くと左端には国産の雨戸も見受けられますので、こういう状況ではガラスの交換自体に防犯的な緊急性はありません。
そういう点でも、本当に輸入サッシは素晴らしいと思います。ただ、このお客様の家には、メンテナンスをしてくれるビルダーがいないという大きな問題がありました。
新築施工をしたビルダーは、輸入住宅ブームの時に新しく2x4の建築を始め、数件手掛けてからこの仕事から撤退してしまったらしいのです。それ以来、この設計・施工会社は何も対応してくれなくなり、まさに放置された状態でした。
こういうことが本当に多いというのが、日本の住宅産業なんです。つまり、お金になりそうなことにはすぐに飛びつくけど、面倒や手間が掛かることからは逃げてしまうんですね。
ハードに限らず、アンダーセンやウェザーシールド、ウィルマーやインシュレート、マービンなどという輸入サッシは、取扱いしている住宅メーカーが極端に少なくなっていますし、メンテナンスや補修にはそれなりの知識と経験が必要となります。
このお宅は、私共が手掛けたものではありませんが、輸入住宅の本当のよさを感じて欲しいという私共の思いは、変わりません。手間が掛かって、決して割に合うような仕事ではありませんが、こういうお客さんに対し、私たちが知らない顔をすることは絶対にありません。
それは、私たちの高い志に起因するものです。目には見えませんが、これがあるのとないのとでは建てたおうちの寿命が変わってくるはずです。
輸入住宅のメンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。
<関連記事>: こんなに綺麗になりました (2012年1月12日)
※ この「お知らせ」ページは、「カテゴリー」や「タグ」のキーワードをクリックすることによって、興味のある関連記事を検索頂けます。どうぞご活用下さい。尚、写真及び記事の著作権は、当社に帰属します。無断での転載・引用はご遠慮下さい。