アメリカのトレンドは、日本に来るのか?

アメリカのトレンドは、日本に来るのか?

昨日、大阪のアメリカ総領事館からご案内を頂いたセミナーに参加してきました。(セミナー会場は、名古屋です)

それは、ワシントン州政府商務局が主催するアメリカ住宅建材セミナーと呼ばれる北米の建築資材を紹介するイベントなんですが、定員70名でほぼ満員といった状況でした。

名古屋ではこうしたセミナーがあまり開催されませんから、岐阜県や三重県からもたくさんの人が来ているようでした。

さて、今回のメインの講演テーマは、「リモデリング」。全米屈指のリフォーム業界誌である「REMODELING」誌の編集長、クレイグ・ウェブ氏のお話を伺いました。

リモデリングとは、日本で言う修理・修繕という類いのものではなく、家のデザインを再生してその価値を高めるリノベーション(改修)を意味します。リフォームという言葉もありますが、これには修理の意味合いも含まれるような気がしますので、今回は使わないようにしたいと思います。

日本で住宅は、古くなるとその価値はなくなり、解体されるしかありませんが、北米では洗練されたデザインの家はリモデリングすればその価値が新築よりも高くなるものもあります。そう、全てが全て高くなる訳ではありません。

人気のない地域であれば、お金を掛けて美しく再生しても費用以上の価値が生まれないこともあるそうです。

ただ、それでもリモデリングしたいという人もたくさんいます。それは売却することを前提に考えないで、終の棲家として心豊かに暮らせる住まいを実現したいという人たちです。住宅を投資として考えれば、費用対価値が大きくなければ損をしますが、自身の満足を考えれば、費用対効果はきっと大きくなるはずです。

現在、米国の中古住宅流通量は日本の5倍。新築よりも将来のリモデリングを前提に取引きされます。ですから、根本的なデザインが悪いと買い手も見つからないということになります。意匠や機能・性能は新しくすることが可能ですが、建物の形や位置は変えることが出来ませんからね。

私としては、10年も経たないうちにデザインを変えてしまう国産住宅がある限り、こうした中古住宅の流通か活性化することは期待できないようにも思いますが、伝統的なデザインで建築された家が残っていけば、中古をリモデリングするトレンドが生まれる素地は日本にもあると思います。

それは、新築出来るだけの所得がない家族が、自分の暮らしをよりよくする為にリモデリング市場に向いていくことは自然な流れだと感じるからです。

ただ、日本の住宅メーカーは、新築は出来ても美しく改修する為のデザイン・センスや経験が乏しいのが実態です。ここを磨かない限り、クロスの張替えやただの修理・交換程度しか出来ないリフォーム業者となってしまうビルダーが増えるかも知れませんね。

デザインされた新築や輸入住宅のリモデリングでご相談のある方は、お問い合わせ下さい。

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