自然素材は、手が掛かる

自然素材は、手が掛かる

よく、いいものは長く使えるという言葉を耳にする。

確かに末長く使っていきたいと考えたら、本物でなきゃいけないと思うのだけれど、そうするには条件があるのです。

いいものという意味は、何もメンテナンスをしなくても悪くならないものという間違った考えの人もいるようですが、決してそういう意味ではありません。いいものとは、愛着を持って手を掛ければ、長く使えるばかりかその価値も増していくというものなのです。

私たちが手掛ける輸入住宅を含めて、高級住宅を謳う日本の住宅メーカーは、自然素材を多用するから長寿命であるかのようにPR・宣伝するところもあります。でも、実際のところ自然素材というものは、人に癒しや豊かさを与えてくれる反面、繊細で壊れやすく手を掛けなければすぐに傷んでくるものなのです。

例えば、革張りのソファ。フェイクのビニール・レザー(塩ビ)に比べて価格は5倍以上する高級品だが、それを長く使おうとすれば、定期的に革用の油を塗らなければなりません。それを怠ると、10年もしないうちに革の表面がひび割れてきて革を張り替えるか、ソファを買い替えるしかありません。

でも油を塗って手を掛ければ、その寿命は長くなり、趣きも増してくるのです。

写真の木製の玄関ドアも同じです。木の温もりや重厚感、豪華さの何れをとっても国産のアルミドアでは太刀打ちが出来ません。

また、定期的に塗装を塗り直し、風雨に曝されて歪んだ状態を修正し、すり減ったドア・ヒンジや気密パッキンを新しくすることで、その素晴らしさを維持していくことが可能となります。

アルミドアなら、20年経とうが外観的にはそれ程手入れは必要ないように見えるかも知れません。でも、きっと100年経った時にアルミドアの付いた住宅は姿を消し、手入れをした木製ドアの輸入住宅は生き残っていると確信しています。

そこには、素材のよさと優れたデザインがあるからです。古いロレックスやフェラーリが、部品を交換し、修理を何度もされて大切に長く使われることをよく考えてみて下さい。

本物であることと、それを維持していこうという愛着や覚悟の両方があってこそ、価値あるものが次の世代の日本に残るのです。そういうものを私たちは造っていきたいと思います。

私たちの考えや建築に共感され、新築やリノベーションを希望される方は、ご相談下さい。

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