フルログのセトリング

フルログのセトリング

ログハウスには、おおまかに2種類が存在します。

材木を角材にして組み立てたマシンカット・ログと丸太のままを利用したフル・ログ(ハンドカット・ログ)。比較的安くメンテナンスも簡単なのが、マシンカット・ログですが、ログハウスの醍醐味を感じさせてくれるのは、やっぱりフル・ログでしょうね。

私たち ホームメイドでもカナダの120年もののホワイト・パインを使ったハンドカット・ログハウス Y邸を愛知県春日井市で造らせて頂いたことがありますが、その迫力は今も健在です。

ゴールデン・ウィークのお休みを利用して、ひるがの高原に来ているのですが、散歩の途中にフル・ログで建てられた別荘を見掛けました。

やっぱりフル・ログは素敵ですが、フル・ログへの思い入れや知識がない人が建てると、その寿命は短くなってしまうかも知れません。雨が多い日本では丸太の塗り直しは必修ですが、新築時に行われた以降は何も手入れをしていないようです。

そのいい例が、このアンカーボルト。交互に組み上げられた丸太が外れないように長い鉄筋を上から下まで通してそこに座金とナットを入れて締め上げるのですが、長年の乾燥で丸太が痩せてきます。

丸太が細くなる訳ですから、しっかり締め上げてあったナットもそのうち緩んでくるのです。こうした現象をセトリング(Settleing)と呼ぶのですが、通常は毎年緩んだナットを締め上げる作業をしなければなりません。

でも、ここの別荘は、既に5cm近くナットの位置が下がってきています。これでは、地震の際に丸太が揺れて、最悪の場合はログが外れてしまうなんてことにもなりかねません。

建築知識や愛情のない人が家を建てるのは、不幸なことです。勿論、そういう注意をお客さんにしてあげない建築屋も悪いと思います。

ログハウスに限らず、家づくりには補修・メンテナンスを欠かすことは出来ないことを覚悟すべきです。皆さんの家は、10年毎くらいでちゃんとメンテナンスしていますか?

こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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